第14話 爆音
【前回のあらすじ】
突然、エリザベス宅の庭、物騒要塞に現れた黒くずm…黒スーツの男たち。
彼らはなんと、イスを
その頃エリザベスは、物騒空間内の食堂で昼ご飯を食べていた。
長い机が6つ並んでいる広い食堂で、天井には電気の玉が大量に浮いている。
イスは買う金が無かったらしいので、1つか2つしかない。そのため、利用者のほとんどが立ち食いである。
「やっぱすしは美味い」
モグモグモグ
すると、厨房から料理人が出てきた。
彼はアントニオ・キラキャラ。料理長である。
コック帽がとんでもなく大きく見えるのは、彼の身長の低さが原因だろう。
赤いネクタイがついた白衣の上にかけてある黒いエプロンで顔を拭きながら、キラキャラはエリザベスに尋ねる。
「おいエリザベス、なんか庭の方から爆音が聞こえたが、なんか起きたのか?」
「ハァ?そんなわけないだろ。俺ですら聞こえなかったんだぞ?
ってかお前、耳良すぎだろ。耳デカいのが原因だろうな」
「どうせなら身長を高くしてほしかったな。チッ。
でも聞こえたからな⁉︎なぁお前らぁ、聞こえただろぉ⁉︎」
キラキャラは食堂にいるメンバーに向かって叫んだが、誰も首を縦に振らない。
彼はカウンターから厨房内にある包丁を取ったが、突然彼の腕が切れる!
「んだとお前r」
「おい待て。その包丁を置け。
証人がいなきゃ、誰も信じないに決まってんだろ。
少しは包丁をすぐに持つ癖をやめろ」
エリザベスが彼の腕を切ったようだ。
「………チッ、仕事に戻るか」
キラキャラは腕を再生し、厨房に戻っていった。
「……全く、ヤバい奴だ」
エリザベスは皿を片付け、食堂を出ると、玄関に向かった。
「おいクリスマスツリー、起きろ」
エリザベスはカレンダーの下に置いてある、クリスマスツリーに言った。
すると、そのクリスマスツリーの幹から、大量の目が現れた。
ツリーはエリザベスに尋ねる。
「………なんだよ」
「玄関で爆音が聞こえたらしいが、どうなんだ?」
「ん?……聞こえたよ。
最初は憎きリア充が騒いでんのかと思ってたが、なんか黒スーツの男たちだったな。
んで何か持って出て行ったぞ」
ツリーはリボンを触手のように伸ばして、玄関の扉を開けた。
「もう奴らが帰ってから結構過ぎてるけど、もしかすると何かヤバい奴らだったかもな。
まぁ俺はリア充以外、全く興味無いがな。
イスに聞いてみると良い。あいつ、ずっと要塞の倉庫にいたからな」
「そうか」
エリザベスは一瞬にして倉庫にやって来た。
まるで瞬間移動のようだが、実は光よりも速く動いていただけである。
アルビノの生物兵器の連中は、ほとんどが音よりも速く移動できるのだが、さすがに光は超えられない。
エリザベスは別格の存在という事だ。
「イス!出てこい!」
エリザベスは倉庫の前で叫んだ。
しかし誰も反応しない。
「いないなら、いないと返事しろ!解雇すんぞ!」
しーーーーーーーーーん
「…………。
おい兵器、イスはどこへ行った?」
エリザベスは背中で兵器に聞く。
兵器は焦ったように言った。
「あ、なんか黒スーツの男たちに連れていかれましたよ」
「………はぁ?」
「イスさん、なんか車に乗せられていきました」
「……おかしいと思った。
なぜヨーワーイン以外の連中が、この場所を知っているのだ?
もしや、特定されているのか?」
兵器は続けて言う。
「車に小さくアメリカの国旗が描かれてましたよ」
「⁉︎……………本の虫と箱人間とムムムさんを送り込む。アメリカに」
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