第9話 生物兵器の仕事

【前回のあらすじ】

無事、エリザベスとの契約を成功した高橋。彼の会社へ彼らは戻る!

………あれ、前回全然話進んでなくね……?



「ここが弊社[ヨーワーイン]でございます」


高橋は、エリザベスたちを会社の目の前まで案内した。

そして、機嫌を損ねないように、恭しく接した。

怒ったら、何が起こるかわからないからだ。

まぁ間違いなく○されるだろう。


「(それにしても、多いなぁ)」


エリザベスは、アルビノの生物兵器の中でも、特に優秀な奴らを連れて来たようだ。


「今更だが、紹介しよう。

この赤と白の枕もどきは、だ。

お前が浅草で見つけた奴だ」


エリザベスは、後ろを歩いていたすしを紹介した。すしは言う。


「あ、どうも…挨拶遅れました。

すしです!」


マグロのネタが乗ったシャリに、黒い目がついただけの、20cmほどの大きさを誇るすしが元気良く言った。


「(すし……?)」

↑高橋


「そして、本を読みながら歩いている、本を頭に掲げたミミズが、本の虫だ」


「ん?あぁどうも。高橋お前、読書してっか?」


本の虫は高橋に聞いた。

彼は、紫色の本から、目だけが出ている顔。

そして、ミミズなのに腕が生えていた。


「え、本ですか……」


高橋は考えてみた。思えば、最近本を全然読んでいない。

書店に行く事も無いので、まず買えない。


「………最近はあまり本は読みませんねぇ」

「は?」


本の虫は立ち止まった。そして、一瞬茫然としていた。

そして目の色を変えながら、高橋に静かに言った。


「おい高橋ゴミ

「え?」


「テメェ、本を読まないで、何が楽しい?

本を読まないで、何が面白い?

読書をなんだと思っているのだ」


「え⁉︎⁉︎」

「テメェを○す」

「は⁉︎⁉︎」


「おい待て本の虫」


怒り狂い、高橋に拳を突き出す本の虫の腕が、いきなり吹き飛んだ!


ブシャァァァァァァァ!


「⁉︎……お前かエリザベス」


「こいつは俺らに金を払ってくれる奴だぞ。勝手に○すのならば、先に俺を○せ」


「………チッ、命拾いしたなゴミ野郎」


本の虫は高橋を睨みながら、本をまた読み始めた。


「(なんかヤバい奴おったわ。怖っ)」


「なぁ高橋、ここで話すのもあれだ。中に入っちゃならんのか?」


エリザベスが高橋に尋ねる。


「え、あぁ別に…入りましょうか。

それでは皆さん、こちらです」


高橋たちは階段を登って、2階にある入り口から、会社内に入った。







「やぁおかえり………ファ⁉︎」


同僚が何気なく高橋に挨拶したが、次の一言が放たれる事はなかった。


「おま……え、何こいつら」


「アルビノの生物兵器の皆さんだ」


高橋は冷静に答えるが、同僚は動揺を隠せない。


「しゃっ、社長っ!来ましたよ!」


3階から、社長が降りて来た。


「え」


「社長の言う通り、アルビノの生物兵器の皆さんを連れてきましたよ」


「………………………マジか」


実は社長も、少し疑っていたのだった。

まさか自分の目の前に現れるとは思ってなかっただろう。

エリザベスは言った。


「お前が社長か。よろしく。

俺がエリザベスだ。お前らも名乗れ!」


「どうも、すしです!」

「本の虫……」

「田中っす」

「現実………です」

「リストキャットだよっ!」

「ムムム!(ムムムですよ!)」

「箱人間と申す」

「箱人間メイドと申します。よろしくお願いします」


「おお……なんかすげぇな。よろしくな。

では、早速してほしい事があるのだが……」


社長は資料をめくる。エリザベスは静かに言った。


「ほう、なんだ?言っておくが、俺らはなんでもできるからな。

しかし、俺はあまり働かないからな?

俺以外の奴らをこき使っておくれ」


「(なんでだよ)

……では、早速、暗殺……をしてほしい」


「は?」

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