第8話 契約

【前回のあらすじ】

アルビノの生物兵器のリーダー、エリザベスは、高橋の用件を聞いてくれるようだ。

高橋は、目の前に置いてある、食べたいフグの煎餅を我慢して、その用件を彼に話すのだった。




「私は、[ヨーワーイン]という会社から来ました。

ぜひ、あなた様を弊社の広告に載せたいのですが………よろしいでしょうか………?」


「ほう」


………エリザベスは少しの間、黙っていた。

やはり自分が会社の駒になる事が嫌なのだろうか?



やがて、エリザベスは口を開いた。



「俺は人間のために何かする気は一切無い」


「………そうですか」


「だが、俺以外の奴らは使わせてやる」

「へ⁉︎」


高橋は思った。

こいつ、部下は別に何されても良いけど、自分はダメだと思ってるタイプか!と。


「そ、そうですか。ありがとうございます。

……あなた様は?」


「ダメ」

「ですよね…………」


エリザベスは窓から庭を見ながら、フグの煎餅をかじる。

高橋も庭を見た。




紫色の球体に、カタツムリのような目とハエ叩きが腕のようについた機械が動いていた。


「お前の会社は何をしてる?」


エリザベスが呟く。高橋は答えた。


「金融、銀行、地方銀行、信用金庫、証券、ネット証券、暗号資産、キャッシュレス、商品先物、生命保険、損害保険、消費者金融、クレジットカード、リース、家賃保証、建設・不動産、マンション管理、住宅、住宅設備、建材、リフォーム、シャッター、電気通信工事、土木、建設コンサル、ビル管理、高速道路、駐車場、物流・運送、航空、空港、鉄道、バス、タクシー、海運、倉庫・運輸、IT・メディア、通信、AI、SaaS、ブロックチェーン、ソフトウェア、データセンター、インターネット、EC、モバイル、IoT、携帯電話、携帯電話販売、ネット広告、テレビ、広告、出版、新聞、印刷、資源・素材、石油、電力、ガス、化学、産業ガス、塗料、香料、繊維、鉄鋼、電炉、特殊鋼、非鉄金属、アルミ、製缶、電線、金属製品、産業廃棄物、ガラス、セメント、製紙、段ボール、ゴム・タイヤ、自動車・機械、自動車部品、トラック、二輪車・バイク、中古車、機械、造船重機、プラント、水処理、鉄道車両、建設機械、建機レンタル、工作機械、工具、ベアリング、ロボット、農業機械、厨房機器、パチンコ(製造)、電機・精密、家電、電気機器、重電、空調、エレベーター、電子部品、FA、モーター、コネクタ、精密機器、医療機器、リチウム電池、カメラ、時計、OA機器、半導体、半導体製造装置、半導体材料、食品、食肉、冷凍食品、即席麺、パン、調味料、製粉、製油、製糖、菓子、乳製品、ビール、飲料、水産、農業、種苗、飼料、小売・卸、総合商社、専門商社、半導体商社……あ、この紙に書いておきます」


↓この紙

食品卸

医薬品卸

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百貨店

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SC

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音楽

楽器

玩具

ゲーム

eスポーツ

イベント



「えぇ………」

↑エリザベス


「社長が飽き性なもので……。

とにかくぅ、この契約書にサインを、してほしいです」


「お、おけぇ」


エリザベスは筆記体に、Elizabethと契約書にサインした。








そこへ……………。


「ただいまー」


玄関の扉を開けると共に、誰かの声がした。


「おかえりなさいませ、田中たなか様」


誰かが帰ってきたようだ。高橋は挨拶すべく、部屋を出る。


「あ、失礼しております、高橋と申します」


「え………人間?」


田中と呼ばれた人物は歩くのをやめる。

真っ白な体で、頭髪などは生えてなく、服は着ていないようだ。

目は黒く長い直方体のような感じ。あの食品でよく見る白い人のマークのような印象だ。

彼はビニール袋を持っていた。


「田中、その人間は俺らと契約した。

もし○そうとするものなら、お前のその頭を割る」


エリザベスが部屋から出てきて、田中を脅した。


「え、マジ?契約?」


「そうだ……………そのビニール袋の中には、またゲームとプラモがあるのか」


「そうだよ。買ってきた」


「いい加減、金を使いすぎだ。そろそろ買うのを躊躇え」

「えぇ……」


田中は、呆れたようにまた歩き始め、高橋がいる部屋の向かい側の部屋に入った。


「………そういや、お前の企業に広告に載ったら、金はもらえるか?」


エリザベスは高橋に聞く。


「え、あぁもちろん、はい」


「……ならよろしい」

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