第6話 抹茶が命の恩人

【前回のあらすじ】

箱人間メイドと高橋は、物騒空間内に入り、エリザベスの部屋へと到着する。

その部屋の扉を開けた先には、筋肉ムキムキ箱人間メイドがいたのだった。


筋肉ムキムキ箱人間メイド(メイド長)は、ナイフを何本か構える。


「………⁉︎………メイド……長?」


「私もこうはしたくない。しかし、しなければならない。さよなら、高橋様」


箱人間メイド長は、ナイフを同時に投げた!

箱人間メイドは、ナイフが高橋に刺さる前に、ポケットから取り出したナイフで、飛んでしたナイフを切り落とす!


「……ふっ、成長したのね」


「………高橋様に、何をするおつもりですか、メイド長」


「エリザベス様が、高橋様そいつを○せとご命令された。

だから私はやるの」


メイド長は、会話しながらも、ナイフを投げ続ける!

そのナイフを箱人間メイドが切り落とすのだった。


「え」


高橋は困惑していた。

まだ会ってもないのに、この家の主に○すと言われてしまって、少し自尊心を傷つけられた。


しかし、目の前にメイド2人に、その事を言ってしまったら、もはや終わり。


「(なんでこんな事になんだよ……)」


高橋は2人に気づかれないように、そーっと後退りした。


「(もうこんな所出て行こ!もう嫌だ!)」




「おい」


高橋の背後から、声がした。彼の心臓は一瞬止まった。そして振り向く。





後ろにいたのは、白いペンギンだった。40cmほどの小さいペンギンだ。

だるまのような楕円形だえんけいの体型、黄色いくちばしの端についた丸い目。


なぜかは知らないが、威圧感がある。箱人間メイドなんかよりも、威厳というか、謎の存在感がある。


ペンギンは喋り始める。


「お前、逃げれると思ってんのか?

人間にこの場所を知られたからには、消えてもらう。

後悔するが良い。さらばだ」


「(え⁉︎⁉︎⁉︎ちょちょちょ、ちょ待てよ!なんでなんだよ!

俺は社長に命令されて来たのに、なんで俺が○されて後悔せにゃあかんの⁉︎)

………わ、私は!あなた!あなたに用があって来たんですよ!」


「ここに来て命乞いか!みっともない…実にみっともない!

俺は誰に対しても、本気で○す。お前のような、無力な人間に対してもだ」


「えええええぇ⁉︎⁉︎⁉︎」



高橋は土下座した!!!!!!


プライドを全て捨て、ペンギンの目の前で土下座した!!!


まさかペンギンに土下座するとは、彼自身も思わなかっただろう。


「私は上司に命令されて、ここへ参りました!

上司には、何も無かったと言っておきます!あなたの事は一切話しません!

ここにいた記憶全てを消すように、何も気にしません!覚えません!すぐにあなた様の事も忘れます!

なのでぇ!どうかぁ!許してください!」


ペンギンはキレた。



「……チッ、ざけんな!

お前のような奴、誰が信用できr」


「こちら、手土産でございます!

仲見世通りの冷し抹茶です!」


高橋はさっき買ってきた、冷し抹茶を差し出した。


ペンギンは一瞬、口を開けるのを止めた。



「……………抹茶………冷し抹茶…………か。

今年も暑い。この空間にまで熱が届く。

俺は熱に弱いのだ。よろしい。命は助けてやろう」


「え、あ、ありがとうございます!」


「………ちょっとこっち来い」


ペンギンは、高橋を連れて、箱人間メイド2人がいる部屋に入った。

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