第4話 アルビノの生物兵器

【前回のあらすじ】

どこにでもいそうな普通の会社員、高橋は、アルビノの生物兵器のメンバーと思われる、箱の顔をした筋肉ムキムキのメイドに見つかってしまった!

そして紅茶とクッキーを出された!

んで食べた!


その頃、先ほど高橋に紅茶とクッキーを出した、箱人間メイドは、家中を走り回っていた。


「(エリザベス様は⁉︎…エリザベス様はどこへ行かれたのでしょうか⁉︎)」


木造建築なので、廊下の板がミシミシ鳴る。

他の箱人間メイドが出てきて、走り回っている箱人間メイドに聞いた。


「メイド長、どうされました?」


「大変!人間が来た!本物の!だからエリザベス様に報告しなければならないとね……」


スネ毛が生え、特に筋肉もない箱人間メイドは言った。


「あぁ、それならメイド長、私先ほどエリザベス様に会いましたよ」


「どこにいた⁉︎」

の方でです」


「そっちの方か………行くのに時間がかかるな。

とにかくあなたは、高橋という人間をもてなしていなさい」


「了解です」


スネ毛が生えた箱人間メイドは、高橋のいる部屋へ。

筋肉ムキムキの箱人間メイドは、さらに家の奥へと向かった。
















「高橋様、何かご用件はございますか?

わざわざこんな所までいらっしゃって、何もご用が無いとは考えにくいもので……」


スネ毛の生えた箱人間メイドは、紅茶を飲んで、ゆったりしている高橋に聞く。


「え、あぁはい。実は、アルビノの生物兵器という方に用がありまして」


「アルビノの生物兵器……エリザベス様の事でございますね?」

「………多分……はい」


「エリザベス様は物騒空間と呼ばれる空間にいらっしゃいます。ご案内しますので、ご安心ください」


高橋は戸惑った。案内するから安心しろ…と言われても、こんな箱の頭のメイドなんて、安心できるか!と。

おまけに腕の毛もスネ毛も生えまくっているし。まるでジャングルだ。


「(物騒空間………どこかで聞いた事ある……。

社長が持ってきたあの本に書かれていた事か!)」


高橋は大人しく箱人間メイドについて行く事にした。













その頃メイド長こと、筋肉ムキムキの箱人間メイドは、吹き抜けの円柱の空間にかけられた、橋を歩いて渡っていた。

壁は青タイルで敷き詰められていて、橋は模様すら無い、白い直方体だ。

とても無機質な空間である。おまけに風も冷たい。


「エリザベス様!エリザベス様!」


箱人間メイドは叫ぶ。しかし、誰も返事しない。



「…………人間が来ました」


ズドォォォォォォォォォン


いきなり大きな音が空間に響き、砂埃すなぼこりがたった。


「ゴホッ………エリザベス様……」


箱人間メイドは声をかけた。すると………。









「人間?」


重圧感と幼さ、両方感じさせる声がした。

そして、砂埃が消えると、白いだるまのような形のペンギンが現れた。


「………人間とは………?」


ペンギンは尋ねる。


「そのままでございます。

人間が仮の家に上がって来ました。どうなさりましょうか?」


「………○せ」

「え」


「人間は例外なく全て追い出す。それができないなら、お前はここから出ていってもらう」


「…………承知いたしました」

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