私の家にはベッドが3つある

@Myago

第1話 ベッドが3つある理由

 私と夫が2人で暮らしている家にはベッドが3つある。


 理由は至ってシンプルで、一人で寝たいこともあるからである。


 だがしかし、夫婦で暮らしていればそういう営みもあるのが事実。


 そういうことで、3つ目は営み用のダブルベッドである。


 もう半年間くらい、使っていないが...




 家を購入するとき、子供ができたらのことを考えて比較的大きい家を買った。


 まあ、大きい家ってのはかなり高い。


 よって夫婦共働きで、家のローンの返済に追われながら日々を過ごす。


 いつからだろう、旦那とキスしなくなったのは。


 いつからだろう、旦那と夜の営みをしなくなったのは。


 そんなことを考えながら事務作業を終わらせていく。


 今日はいつにもまして仕事が多かったが、幸いにも12時前に帰れた。


 明日は休日。


 1秒でも長く寝るぞ!!


 夕食を手早く済ませお風呂で汗を流す。


 お風呂から出ると体が火照り、良い感じに眠くなってきた。


 足元もふらふら。


 こんな時こそクソ高いローンを払った家を有効に使う時だ。


 一番近いダブルベッドの部屋に入り、横になる。


 ああ、やっと休める。


 眼を閉じてしばらくすると体がふわふわしてくる感覚に襲われる。


 ガチャ。


 ドアを開ける音が聞こえる。


 なぜ部屋に人が入ってくるんだ?


 部屋に入ってきた足音はベッドに向かってきて、そのままベッドに入ってくる。


『久しぶりに一緒に寝れるね。』


 旦那の荒い息遣いと共にそんな言葉が耳元で囁かれる。


 あれ、これってもしかして寝れない...?

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