第8話 積極的な彼女
その後、二人は20分くらい自転車を漕いでショッピングセンターへと辿り着き、駐輪場に自転車を泊めて店内へ入った。すると、
「今日はいつもより人が多いね」
店の中を見渡して美羽はそう言ったので。
「まあ、今は夏休みだからな、家族連れが多いのは当たり前だろうな」
悠斗もそう答えると、美羽は、
「それもそうだね、それじゃあ早速行こうか、悠斗くん」
そう言って、美羽は何故か悠斗の手を握ってそんな事を言ったので。
「!? おい、美羽!!」
悠斗が慌ててそう言うと。
「どうかしたの? 悠斗くん」
美羽は悠斗の方を振り返りながら、そんな事を言ったので。
「えっ、あっ、えっと……お前はどうして俺の手を握っているんだ?」
内心かなり動揺しつつも、冷静を装って悠斗がそう聞くと。
「えっ、だって、こんなに人が多かったら私とはぐれるかもしれないから、今日は一日悠斗くんと手を繋いで過ごそうと思っているけど、悠斗くんは私と手を繋いで歩くのは嫌かな?」
夏の暑さのせいか顔が赤くなっている美羽がそんな事を聞いて来たので。
「……別に嫌ではないけど」
美羽から顔を逸らしつつ、悠斗がそう言うと。
「それじゃあ悠斗くん、早く行こうよ、久しぶりの悠斗くんと二人きりのデートだから楽しみだよ」
美羽はそう言って悠斗の手を引いて歩き出したので。
「あっ、待てよ、美羽」
悠斗はそう言って、美羽に引っ張られながら歩き始めた。
そうして、悠斗が美羽に連れられて店内を歩いていると。
「ところで悠斗くん、最初はどこのお店に行くの?」
その場で立ち止まり美羽がそんな事を聞いて来たので。
「えっ、決めてないのか?」
悠斗がそう聞き返すと。
「うん、今日は色んな店を見て周って過ごそうと思っているから、具体的にどこに行こうかは決めて無いんだ、だから、悠斗くんの行きたい所があったらまずはそこに行かない?」
美羽はそんな事を聞いて来たので。
「俺の行きたい所? そうだな……」
そう言って、悠斗は少し悩んでから。
「それじゃあ最初は取りあえず、本屋にでも行くか?」
悠斗がそう提案すると。
「うん、悠斗くんがそれで良いんならそうしよう!!」
美羽は笑顔でそう言って、最初に二人は本屋に行くことにして、二人は手を繋いだまま二階にある本屋へと向かって行った。
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