第7話 ショッピングセンター

 その後、美羽からチェインで連絡を受けた悠斗は身支度を整えるとスマホと財布を持つてから家を出て、隣にある美羽の家を訪れた。そして、


「ピンポーン」


 美羽の家の玄関のチャイムを鳴らすと。


「……はい」


 少しするとそんな声がして、ドアが開くと美羽が顔を出したので。


「おはよう美羽、昨日は恋愛相談だったけど、今日は買い物に付き合って欲しいのか?」


 挨拶をした後、悠斗が美羽にそう聞くと。


「……うん、そうなの、でも、もしかして急に誘ったから迷惑だった?」


 少し心配そうな口調で美羽はそんな事を聞いて来たので。


「いや、そんな事はないぞ、夏休み中は宿題をする以外には特に予定は無いから出かける予定が出来て俺としても嬉しいよ、でも、お前は良いのか?」


 悠斗がそう聞くと。


「良いって、何が?」


 美羽はそう聞き返して来たので。


「何って、お前には好きな人が居てその人に自分の事をアピールしたいんだろ? それなのに今日は俺なんかと一緒に過ごしていて良いのか?」


 悠斗が当然の様にそんな疑問を口にすると。


「あっ、うん、それなら大丈夫だよ」


 美羽はそう言うと、一呼吸置いてから。


「だって、その計画は今の所上手く行っていると思うし、それに私は悠斗くんと一緒に過ごしている時間が一番楽しいから何の問題も無いよ」


 美羽は満面の笑みを浮かべて悠斗に向けてそう言ったので。


「……そうか、まあ、お前が楽しいんなら俺はそれで良いよ」


 美羽から顔を逸らして、悠斗はそう言った。そして、


「それで美羽、買い物に付き合って欲しいって事みたいだけど、今日は何処へ行く予定なんだ?」


 美羽から顔を逸らしたまま悠斗がそう聞くと。


「うーん、そうだね……今日は取りあえずショッピングセンターに行かない? あそこなら色んな店があって色々見て周れるから」


 美羽がそんな事を言ったので。


「ああ、そうだな、そうするか」


 悠斗はそう答えると、美羽は自分の自転車を取りに車庫に向かったので。


 悠斗も美羽の家の外へ止めておいた自分の自転車の元へ向かい、その後、二人は自転車に乗って、家から少し離れた所にあるショッピングセンターへ向けて自転車を漕ぎ始めた。

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