第2話 転生したので試験を受けてみた!

  ロイ達はあのあと少しだけ会話をしながら歩いていった。


  ロイ達が最初に受けるのは・・・・


 「それではまず魔術に関する技能テストを行います。あの魔物に対して攻撃を行ってください。2010番どうぞ」


 試験監督に言われ同じ受験生の子たちが次々に魔法を放っていく。


「炎の精霊よ、僕に力を与えたまえ。【火爆弾ファイヤーボム!】」


「水の精霊よ、私に力を与えあの者を水流と共に切り刻め。【水刃ウォーターブレイド


 淡々と試験は続きついにリリファーの番になった。これまでの受験者はさほどの魔法を使っていなかったがリリファーは一味違かった。


 「あ、次私みたいですね! 行ってきます!」


  「光の精霊よ、あの者の闇を引き裂きこの地に希望を照らせ【光線弾ライトブレット!!】


 「え!! 何あの子! あれを倒しちゃうなんて....」


 リリファーの放った魔法は魔物を貫通し一撃で倒してしまった。周りは異常なまでもの実力差を前にあきらめる者やざわめく者もいた。そんななか次はロイの番が回ってきた。


 ロイが頭の中で魔法をイメージすると周りに黒いモヤが出始め空は少しずつ黒い雲に覆われていく。そして・・・・


 「【漆黒の戦果ダークレイン!!】」


 「おい、なんだよあれ!!」


 「あの黒い弾丸はもしや上級魔法....!??しかも無詠唱....」


 ロイの放った魔法はリリファーと同様魔物を一撃で倒した。


 「これで実技は終了です。次は筆記試験ですので各自指定された教室に時間までに向かってください」


 周りがざわめくなかロイとリリファーは実技試験を終えた。


     ◆ ◇ ◆ ◇


 実技試験の次に筆記試験を受けるロイ達。

 

「どうしましょう。ロイさん! 筆記ですよ! 筆記!!」


 「筆記苦手なんですよね・・・・」


 「ロイさん!ファイトです!」


 筆記試験が始まる合図が教室に響いてから数分が経ったがロイの手はなかなか動かない。


(まずい。勉強をしてなかったから何もわからない。転生前の記憶を使おうにもまったく使い所がないし。もはや選択問題を勘で解くしか・・・・)


 周りの受験生はまだ色々と書いてるのにも関わらずロイだけは異様に早く書き終わり眠りにつこうとしていた。


(なんとかなるだろ!!)




    ◇ ◆ ◇ ◆



 そして試験から1日後。ついに合格発表。


 後ろから大きな声でリリファーがロイを呼んでいる。


 「あ!ロイさん!!おはようございます!ってどうしたんですかロイさん!そんな筆記試験で全然分からなくて試験に落ちてしまった人みたいな顔は!」


 リリファーはなぜかすべてのことを言い当ててしまった。

そう、ロイは筆記で点数を取ることができず試験に落ちてしまったのである。


「そうですか・・・・残念です」


 リリファーとロイは共に落ち込みながらその場をさろうとした時目の前に立派なタキシードを着たおじいさんが立っていた。そのおじいさんはロイに対して・・・・


「あなたはユーピタル・ロイ様でしょうか。理事長がお呼びですのでこちらへ」


「ロ、ロイさん!何したんですか!!」


 リリファーにあらぬ誤解をされながらロイはそのおじいさんついていった。


 

    ◇ ◆ ◇ ◆


 しばらく歩き明らかに立派な扉を開いたロイの前にいたのは黒髪ロングのバリバリなウーマンがそこにはいた。


 「よく来てくれたな!!ロイよ!」


 「あ、はい」


 「お前の事なんだがなぜ実技は満点で筆記は26点なんだ」


 「あ〜....実は戦いの練習ばかりやらされてきたもので....」


 「そうか。んで入学なんだがな許可しよう。合格だ」


 「え?えぇぇ!!!?なんでですか!!」


 「お前みたいな魔力バカを世に放ってみろ。世界が終わるぞ」


 「そんなにですか?.....」


 「だからこの学園でお前を預かることにしたから。合格だ。だが勉強もしろよ」


 「は、はい!!頑張ります!!」


 ロイはなんとか理事長の助けにより無事学園に入学することができた。


 (あっちの世界はどうなってんのかな。ってもう過去の話だからな。俺は今を生きるそして新たな職を手に入れて見せる!!)


 「よぉし!! なってやるぞ!転生者異世界選別士ワールドソーター!!」


 そしてここからロイの新たな職を手に入れるための波乱で険しいその道を必死に進んでいく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る