第73話 新規パーティメンバー
結局、俺に嫉妬をぶつけたしのぶも、キャシーの耳と尻尾を触りたそうにしていた。
「あなたも触ってみたいですか」
沙織に触りまくられた、耳と尻尾の無事を確認しながら、キャシーがしのぶに言った。
「いいの」と、しのぶ。
「うん、でもさっきのは水に流してほしいのと、後でお話が・・・」
獣人の、ネコ耳とネコ尾への興味に負けた様子で、しのぶはうんうんと頷いた。
「きゃ、かわいい」
耳に触れた途端、その耳がぴくぴくと動いたのが、しのぶにはたまらなかったようだ。
「中の方を触ってみていい」
「いたくしないでにゃ」
そのエロっぽい会話で、俺の大事なものがぴくりと反応した。
今夜はこのシーンを思い出して、かわいがってやるにゃんw
そう言えば、この所いたしてないので、たまりにたまっていたかも。
これは年頃男子にとって、かなり健康に悪いだろう。
しのぶが、そおっと耳の中の毛先を撫でながら、奥へ進めると、
「それ以上はだめにゃん」
と、キャシーがセクシーな声を上げて、しのぶの腕を
しのぶは、その反応がたまらないという顔つきだ。
「次は尾の方も触ってみていい」と、しのぶ。
積極的だなあ、俺のことをさわってもいいんだぜw
想像するだけなら、無罪なのであるw
「強く掴むのはやめてね」
両手で包むように、しのぶが尾の先から撫でようとすると、
「毛を逆立てる方向は、気持ち悪いからやめて」
と、キャシーがぴしゃりと言った。
しのぶは、ささっと尾の付け根付近まで手を伸ばし、下に手を当てて、ぽんぽんと数度上下させた。
「どこでそんなテクニックを覚えたにゃん、気持ち良すぎて発情しそうにゃん」
キャシーは今にもとろけそうな表情だ。
「おいおい、女子だけでずるいぞ。
俺にも触らせてくれよ」
俺もネコ耳にすっと手を伸ばしかけたが、、、
「「コウタはダメ」」
しのぶまで俺を呼び捨てにして、沙織とハモってダメ出しかよ。
そこに、キャシーからもダメ出しが。
「コウタはダメですにゃん。
私、本気になっちゃうかもニャン」
キャッツアイの流し目に、またずきゅんときた。
おい、息子よ、あばれるでない。
「本気って何よ。
コウタ、キャシーから離れなさい。
コウタまで発情してどうするのよ、しばらく二人は接近禁止よ」
ということで、それからは俺とキャシーの間に、沙織かしのぶがはさまる形でブロックされた。
少し落ち着いた所で、沙織がキャシーに問いかける。
「この辺に服屋さんはないかしら。
この服は、この辺だと目立ってしまうらしいから。
でもね、私の国では、これは普通なのよ」
沙織は聞かれてもいないことを、言い訳する。
朝夕食材料の仕入れに出掛けていたらしい、ポパイ亭の女将さんが帰って来た。
色黒の中年女性だ。
「キャシー、悪かったね、予定よりだいぶ遅くなってしまって。
おや、そちらさまは、うちのお客様かい」
「ブラウニーさん、今朝たたれたパーティが使っていたお部屋、二部屋に案内しました。
とりあえず3泊だそうですが、場合によっては長期
おい、俺はそんなことを言った覚えはないぞ、、、
「お客様方、この町には今日着いたんですか」
ブラウニーと呼ばれた女将さんは、俺たちの服装を見てからそう言った。
「地元に調和する服を探してるらしいんです」
「おや、そうかい、長期逗留されるならサービスしなきゃね。
キャシーは、もう休憩に入っていいよ。
お客様を案内してお上げ」
ブラウニーは、銀貨一枚をキャシーに握らせた。
「バイト代をもらってる上に、こんなものいただけません」
キャシーは、銀貨を突き返そうとする。
「良いんだよ、安いバイト代で私は助かってるんだから」
「ありがとにゃん」
嬉しい時も、語尾にゃんかw
「こら、語尾にゃんには気をつけるよう、いつも言ってるだろ」
注意はするが、女将さんも微笑んでいる。
「はい、ごめんなさい。
じゃ、行って来ます。
お客様、用意は良いですか」
「「「OK」」」
今度は3人でハモった。だいぶチームらしくなってきたな。
「かわいい服はあるの」
宿屋を出て、一番にこう訊いたのは、『かわいいは最強』を自認するしのぶだ。
あ、いや、それはクモミンだったかなw
「ありますよ。
かわいいは正義ですからね」
お、キャシーも、クモミンと似たようなことを言う。
しのぶの目が、仲間を見つけたりという感じで輝いたところを見ると、しのぶも、クモミン、キャシーと同じく、かわいいは最強派らしいな。
「カジュアルでかわいいのと、冒険者スタイルでもかわいいのがありますよ。
私のお勧めショップに案内しますね。
しのぶさんは、ユーズド品でも大丈夫ですか」
しのぶとキャシーは気が合ったのか、かなり親しげだ。
服屋の話は省くが、沙織もしのぶも、俺も、キャシー御用達店で一揃い、上から下まで衣服を揃えられたので、全員が着ていた服から、買った服に着替えて、今までの服は4次元ポケットに収納した。
ちなみに、4次元ポケットは、それぞれが取り入れ、取り出し口を持っているが、収納場所は共通である。
だから、俺はそんなことはしないつもりだが、
沙織の服とか、しのぶの服も、俺の取り出し口から取り出すことは可能なのだ。
もちろん、沙織たちが俺の服を取り出すこともできる。公平だろ。
さて、みんなが気に入った服をみつけられた所で、キャシーが切り出した。
「私をあんたらの、冒険者パーティに入れて欲しいんです。
この町の近くには、そこそこ強い魔物の谷とか、弱い魔物の林とか、それにダンジョンとかもあるんですよ。
パーティに入れてくれれば、私が案内できますから」
「「ダンジョン!」」
沙織としのぶが食いついた。
三人で相談した結果、キャシーをパーティに加えることになった。
「パーティに入れるのは認めるが、俺たちの国から、至急戻れとの連絡が入る可能性がある。
その時は、早期解散になるが、それでも良いか」
キャシーは、少し考える様子を見せたが、それでも構わない、明日から早速冒険を始めましょう、と言った。
「どうする」と、俺。
「良いじゃないの、フライ達から連絡あるまでは私たちの自由時間でしょ」と、沙織。
「ダンジョン、入ってみたいです」と、しのぶ。
「じゃあ、話は決まりだな」
俺たちのパーティは4人になった。
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