第2話 コウタはハエに屈服し受け入れた
ハエへの殺意と入れ替わるように、
「
俺は口をぽかんと開けたまま突っ立っていた。
"Have a seat, please. Relax! "
今度は英語かよ。俺はなんとなく力が抜けて、そのまま着座した。
「あれ、君おもしろいね。英語だと素直に座るなんて」
「あ」
「確か、コウタは英語、苦手の筈だけど」
「なんで、お前がそんなこと知ってるんだよ」
やばい、、、今、強気に出るのはやばいと思い、すぐに言い直す。
「あ、何故そんなことをご存知なのですか。それに僕の名前まで」
やばそうな未確認知性体に出くわして思わず
それにしてもハエに呼び捨てにされるなんて、人生最大の
でもそんな不満はおくびにも出さない。
ハエに殺されるなんてまっぴらごめんだ。
何故そんなことを思ったかと言えば、
敵に殺意をもたれるのはやばすぎる。
「タメで良いよ。
こちらとしても、日本語の
「十分に、ネイティブレベルだと僕は思いますけど。ハエさんの名前をよろしければ教えて下さい」
「
対等な日常語、できれば友人レベルで話したいな、コウタ」
かしこまった姿勢でハエ様を見ると、虫けらは満足そうな態度を見せた。
勝手に俺がそう感じただけなのかも知れないが。
「ワタシの名前はフライ。
ネットネームみたいなものだけど。本名はかなり長いからね。
一応、失礼のないように申し上げますと…itudatte, dokodatte, nantonaku, stand by you.です」
「ウソつけ、めんどいからフライと呼ばせてもらうよ」
うさんくさい、ハエの自己紹介に俺は少し気が抜けた。
ハエは前足をすりすりさせる。
「そうそう、その調子。タメで行こうよ」
さらに脱力した俺は、その
危害を加えられそうな気配は今の所感じられない。
そうなると今度は、目の前の存在に強い興味が湧いてくる。
「フライはこの前の日曜日にウチにやって来たの?」
「散歩から帰って来たのがその日だね。
実は先週の水曜日から
今日から二週目かな」
「いつ帰るの」
こんな奴にいつまでも
「それはコウタの協力次第って所かな」
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