第19話 取りこぼしていた話 オールトの雲

身内がコロナ陽性でした。

職業柄対策はしっかりとしていたのですが、感染者の母数が増えるとどうしても逃れられないのだと思いつつ、家庭内感染にならないようなるべく対策してあがいてみようと思います。

皆様も不要不急な外出はさけ、いざというときのための飲料や食事、風邪薬の備蓄をされながら「必要なかったね」と病災にかからない事を祈ります。


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 さて、いきなり外宇宙に飛んだため、話すのを忘れていた話があった。

 冥王星よりさらに先の空間、そこにはオールトの雲と呼ばれる場所があるのではないか?と天文学では推測されていたらしい。


 これは太陽から1万au(約0.15光年)~10万au(約1.5光年)の間に球殻状に広がっていると推測されている惑星群につけられた名前である。


 天文学に詳しくない『私』の認識では、太陽系と他の星系(アルファケンタウリとか天の川銀河など)と太陽の重力が同程度になる場所にたまったアステロイドベルトみたいな認識である。


 10光年先の星々が見えるのに、なんでたかが1光年先の隕石群が見えないのだろうか?と思ったのだが、遠くの星は恒星の光を惑星が遮った瞬間や、銀河が間を通り重力で光が歪んだ状態(重力レンズという)などから観測し、あの手この手で存在を見つけたものらしい。

 その手法はあまりにも多彩で凡人の脳には理解が難しいため『実際に見に行った方が早い(早くない)じゃん』と思う私脳では説明自体が間違っているかも知れないが、光と影に赤外線とか放射線の観測結果を駆使して遠い場所の様子を計算しているらしい。


 だったら、それよりも近距離の隕石群の有無を見つけるなんて楽勝じゃないの?と思うのだが、推定はしていても現物が見つけられなかったらしい。

 波打ち際に漂流物がたまるように。火星と木星の起動の間に隕石が漂う様に、互いに重力で引っ張ったりしている位置に隕石の集団があってもおかしくはないのである。

「でも、なんで見つからなかったんだろ?」

 別の私が疑問を投げる。

「さあ?恒星が存在しないから光が反射しなくて見えにくい…らしいんだけど、外宇宙の恒星の光を遮ったりとかで分からないのかなぁ」

 そう話していると別の私が来て

「一応、軌道半径が150万年とかとてつもなく長い彗星などはこの雲から来てるのではないか?と考えられているから、存在の一部とみられるものは存在するが、はたしてそれが集団で存在するかはわからない。とか、小さすぎて光に干渉できるほどの質量を持たないから。とか言われていたみたいだぞ。私」

 と言う。

「数は多いけど、一つ一つは小さいし移動もするから見つけにくい。って感じなのかな?私」

「そんな認識でいいんじゃないか。私」


 そんな感じで結論が出た後、思い出したのだが

 冥王星の外側から飛び立った私たちから

「ちょうどよい大きさの隕石を見つけたから10個ほどくっつけて周囲の氷隕石を吸いつけながらタイプDを100個作った」

 とか、

「霧程度の氷が散乱していたからタイプCの内部で核融合エンジンの熱で溶かして『私』1000人の材料にした」

 などの報告が1万件ほど上がっていたのを思い出した。

 一応ボイジャー1号という探査機が出発から300年後にオールトの雲に到達する予定だったというが、もしかしたら知らない間に雲をほとんど食べてしまったのかもしれない。

 

「…………………」

「…………………」

「…………………」

 私たち3人は互いに見つめ合った。

以前『私は宇宙の寄生虫と言うより軍隊蟻とかイナゴだな』と言ったことがあったが、重要文化財を食いつぶす白アリでもあったのかもしれない。

 

 そう思ったが、誰も何も言えない中

「存在自体が確認されてないんだから、『やっぱりなかった』という事でいいんじゃないかな」

 そう私の一人が言った。

 うん。たかが50万人(当時)の私によって消滅させられた雲なんて、あってもないのと同じである。

 その程度の存在、誤差と言っても過言ではない。YESと言え。(byRDことゲームレジスタンスの著者、原田勝彦氏)

 こうして、科学者たちの提唱した理論は闇に消えたのは私だけが知っている事実である。


 これいらい私が資源の採集をする際には「これは取っても大丈夫な隕石なのか?」と考え…るはずもなく、宇宙の果てへ行くためならバブル時代の地上げ屋も真っ青なほど私や宇宙船へと姿を変えていった。

 もうたくさんの星々を改造しているんだし、毒を喰らわば皿までどころか屋敷や土地迄喰らいつくしているのだ。

 もう引き返せない。先に宇宙開発を進めなかったり、予算を廻さなかった地球の皆さんがわるい。


 そう結論付けて、私は今日も隕石を改造して外宇宙に飛ばす作業に従事するのであった。


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 建設現場で文化財が出土すると工事が止まると聞いたことがあります。

 歴史関係やっているので、ブラック建設会社の一つや二つの運命より歴史の発見の方が大事だと思う事はあるのですが、その間に工事がとまって資金繰りが苦しくなると、見なかったことにして埋める不届きものが出るのもわからなくはないのであります。


 話のテンポ的に外宇宙での傍若無人を先に書いた方が良いと思ったので抜きましたが、太陽系を脱出した後には、そんな小さな隕石群があるかもしれないそうです。

冥王星を突破した方はそんな雲を探してみてはいかがでしょうか?

 情報料くらいはもらえるかもしれません。

 


 

 その存在は彗星の軌道長半径と軌道傾斜角の分布の統計にもとづく状況証拠のみであり、想定される領域で天体が直接観測された訳ではないため、仮説の域を出ない

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