第18話 ないなら作っちゃえ。地球とか

広大な宇宙には地球と似たような星が見つかることもあるが、運悪く存在しない場合がある。

この場合、火星とか月のような星に宇宙船で基地を作り生活をするのが一般的な私たちの行動だった。

 だが、とあるゲームをプレイした私は先人たちのあるフレーズが気に入り、特に計画もないのにこう言った。

「ないなら作っちゃえばいいじゃない」


 これは公転軌道上に地球に似た惑星が存在しなかった私たちの挑戦と実験の物語である。


~プロジェクト私~ 暇閑者たち。



 ことの発端は、とある星系を調査していた私さん(当時XX才)だった。

「グ●ディウスⅡというゲームがありましてね。その音声テストモードに「FORCE LASER!」という言葉が入っていたんですよ。当時一部のプレイヤー間でこのFORCE LASERが実在するのか話題になっていたとネットの記録にはあって、

「隠しコマンドで使用できるようになるのでは?」

 と噂が飛び交っていたそうなんです。

 種明かしをすれば「PULSE LASER」海外版のリプルレーザーの音声だっただけらしいんですよ。

 ま、後にSFC版FF5でも海底にモアイ像があって、これがキーとして『賢者』のジョブとか、最強の武器『しらぬい』が手に入るという噂が飛び交ったのと同じですね。

 ただFF5と違うのは、ある日「見つからないならつくっちゃえ」と実際にFORCE LASERを作った暇じn…天才がいたどうなんですね。

 グラIIの基板を入手し、ROMを解析。改変を加えて通常のレーザーの当たり判定を強化したFORCE LASERが裏技で入った裏グ●ディウスⅡというのが、個人的趣味の範囲で遊ばれたそうです」

 この話を偶然宇宙船内で耳にした私(XX+2才)は


「これだ」


 と思ったと言う。


私(XX+2才)「せっかく10年くらいかけて別の太陽系に行ったのに、人の住める星がない。もうがっかりしましたよ。でも、同室の私の話を聞いて「地球型惑星ががないなら、地球を作ってしまえばいいじゃない」と思ったんですよ」

 

 その日から私(XX+2才)は仲間を集めて言った。

「ここに私たちの地球を作ろう」

 はじめは誰もが無関心だった。宇宙船にはゲームも漫画もある。

次の太陽系に行くメンバーもいるのに何故、わざわざ地球型惑星を作らなければならないのか?」

 そこで私は先ほどまた聞いたゲームの話をした。


「すごいな」


私(YY才)が感嘆の声を漏らした。


「クレイジーだな。だからこそ美しい」


隣にいた私(YY-5才)も言った。


かくして、地球の複製を作るプロジェクトが始まったのである。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「地球を作るには核に鉄が必要ですからね。隕鉄を各地から集めました」

と、アステロイドベルトにいた私は当時を思い出す。

「本来ならマグマで鉄が溶けて磁気を帯びるものなのですが、今回は短期間に作成したいという事で、ネオジム磁石に加工してみたり、普通の磁石ではどうか試行錯誤の連続でした」

 太陽の熱を反射板で集めて鉄を溶かし磁性を持たせる作業。

 そして、完成した試作品に各地から集めた隕石をぶつけてみる。

「衝突の衝撃と質量の塊による内部圧力で磁石は溶けてしばらくしてからマグマの塊が出来て、火山が吹き上がったりそれで蒸発した水分が大気を作ろうとしたり、最初は上手くいったんですよ」

 だが、思ったような地磁気は発生せず、大気は太陽風に吹かれて飛んでいく。

「もうね、失敗した惑星の試作品が12個ぐらいできて、ネックレスみたいに同じ公転軌道を回っているんですよ。某銀河の英雄伝説に例えてアル●ミスの首飾りとか読んでいたんですけど、そろそろまじめにやってみようか。と言う話になりまして」


 実験データを集めた私(XX+2才)は失敗作の一つにもう一度隕石をぶつけた。

 この時の衝撃で星は一部が欠け、奇跡的に月のような衛星が出来上がったと言う。

「本当はもう一度焼き入れをするかんじでマグマを発生させようとしたんですけど、何故か衛星ができましてね。他の宙域から月候補を用意していたのに、空気読めよと思いましたね」

 そして、再びマグマの星となった惑星に私(XX+2才)は氷の隕石を投下したと言う。

「シムアースと言うゲームの鉄板ですね。水がないなら氷をぶちこめばいいじゃない。大気が無いなら雨を降らせるために氷塊を降らせればいいじゃない。というプレイどうりにマグマだまりを氷で急速に冷やして無理やり惑星の形にしたり海を作ったんです」

 衛星によって潮の満ち引きが起こり、マグマで熱された水蒸気が惑星の引力に引かれて雲となった時、私は


「やった。クエストクリアだ!」


 と叫んだと言う。

 急いでオゾン層を製造し、大気を維持した惑星。

 火山噴火で陸地も出来上がった時、私の一人は『火の鳥』の真似をして、生命体の元を海に投入したが

「そんなにまてないよ」

 という私によってプランクトンに魚、両生類を投入され、生命創世の野望はあっけなく打ち砕かれた。

 こうして作られた地球型惑星は、私の憩いの場として使われてはおらず、「ま、それなりに楽しかったよ」という無責任な私たちによって放置されている。

 ここから新しい知的生命体が生まれるかどうかは分からないが、素人が変に手を加えるより、後は自然の流れに任せた方が成功するかもしれない。

  

 今回の取材を終え、事の発端になった私(XX才)に話を聞いてみた。


「今ハマっているのはGIGA WINGですね。「1兆やるか」のキャッチフレーズが示す通り、とんでもない得点インフレゲームでリフレクトフォースと言う」


 聞きたいのは現在の趣味じゃねえよ。


 かくして、地球型惑星を作ると言うプロジェクトは成功した。

 あと1億年もすれば知的生命体が生まれるかもしれないし、生まれないかもしれない。

 ま、暇だったら他の星系の私たちも是非試してみてほしい。1年くらいはたいくつしのぎになるだろう。


 プロジェクト私 終わり


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「という動画をつくってみたんだけど、どうだろう?」

「人類がいないからって滅茶苦茶やり過ぎているけど、まあ面白いしいいじゃないか?」

 

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2日連続で解体作業を終え、あすやっと休みの私です。

ネタを考えていた時、大学の先輩から聞いた裏Ⅱの話を思い出し、当時プロジェクトXという番組が流行っていたな。と回顧しながら、ネタに振り切った話にしてみました。

 苦笑や失笑していただければ幸いです。

 私も実機はプレイしたことはないですが「こんな話があるよ」と裏Ⅱの話をしてくれたタカショー先輩(あだ名。実名は忘れた)ありがとうございます。

 あと「1兆やるか」「1京やるか」という当時としてインパクトの合ったキャッチフレーズのギガウイングも後世に残したいと思い、投入してみました。

22時に書き始めて本日中に間に合ったのでこれから寝ます。

おやすみなさい。

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