第28話
本日は昼間にも1話更新してます。
まだ読んでない方はそちらからどうぞ
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「ねぇ、千草ちゃん。ちょっと二人で話さない?」
私はそう提案した。
彼女の明るく振る舞うその姿が、どうしても空元気にしか見えなかったから。
「っ!!い、いいよ。……ほんとにさっきのは悪ノリみたいな感じで、私のことなんて気にしなくていいから」
ほら、そんなことを言われたら、余計に気にしてしまう。さっきまでつぼみちゃんに早く会いたいと思っていたのが嘘のように、今は少しでも長く千草ちゃんの傍に居てあげたいと思ってしまう。
「と、とりあえずさ。私が二人で千草ちゃんとお話したいの。……ダメ、かな?」
「ッ!………ずるい。そんな風に言われたら、私が断れるはず無いのに」
「えへへ。ごめんね?」
「………ぃぃょ」
とりあえず、私と千草ちゃんは使われていない空き教室へと向かった。
◇ ◇ ◇
空き教室に入り、一応、誰も入らないように鍵を閉める。
そしてさっそく、私は切り出した。
「千草ちゃん、今日どこか変だよ?どうしたの??」
「………別に、いつも通りだよ。………たはは、し、心配しすぎだなぁモモちゃんは」
「心配なんて、いくらしても、しすぎることは無いじゃん。その笑い方だって、いつもは可愛いって思えるけど、今日はその笑顔ですら心配になる」
「ッ!?!?」
「だからさ、ほら、ね?何か困ってることがあるなら、私に話してみ――――??? 千草ちゃん?」
本当に千草ちゃんのことを心から心配して喋っていると、ふと彼女の顔を見ると真っ赤っかだった。
俯いて、プルプルと震えている。
「〜〜〜〜〜〜〜っ//////ほんっとに、急に攻めてくるの、ほんっとに、いやもう、ほんっとに!!」
どういう?
彼女が怒ってるのか、それとも照れてるのか、真っ赤に染まっている理由も分からない。
え、今、私一応真面目に心配してたよね?
怒るところも恥ずかしがるところも無かったよね??(ありました)
「か、可愛いとか!い、いつもは言ってこないくせに、こんな時にだけ平気な顔して言うとか、ほんっとにモモちゃんはずるい!!
………ずるい。
……………ほんとにずるい
けど、そんなところも、
やっぱり、、、好き」
「え?」
えへへへへ、と。さっきまで真っ赤に顔を染めて俯いていた彼女は、なんだか決壊したダムみたいに、恐らく心の声であろうものまで吐露してきた。
と言うか、ずるい?
ずるいって、私が?
確かに、思い返せば千草ちゃんと仲良くなってからのここ1ヶ月とちょっとで。私は心の中でベタベタとくっついてきて甘えてくる彼女のことを可愛いとは言ってたけれど。なんなら心の中ではべた褒めしてたけれど。
でも本当にそういえば、実際に声に出して本人に『可愛い』と伝えたことは無かったかもしれない。
それから、千草ちゃんの心のダムは色んな想いと言葉を溜めに溜め込んでいたみたいで。
彼女はニヘラと、だらしなくも可愛らしい本人らしい笑顔を浮かべながら、吐露し続けた。
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あと2話です。
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新作も本日(8/12)投稿しました。
『3番目あたりがお似合いな私の百合ハーレムの作り方』
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