第19話
閑話から続く本編はもう少し先
メインデートはまだ終わらない
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アウトレットモールには色んなお店が並んでいた。つぼみちゃんは雑貨屋さんが気になるらしくて、それに寄った系統のお店を見つけると歩くペースが極端に落ちるのが堪らなく可愛い。
今日のデート。
どうやらカノジョは私のことをリードしたいらしくて、私に度々「見たいお店があったら言ってね?」と気を遣ってくれる。
けれど、こうやって自分の見たいお店は我慢しようとして、どうしても見たいお店があると、今みたいに歩くペースを落として私の顔色を窺う。
―――「ここ、見たいなぁ」
って、そんな感じで窺ってくる。
良いに決まってるのに。リードする側だから、遠慮してるんだもんね。分かってるよ、私の大好きなカノジョさん。
だから、私は「ふふふっ♡」っと笑って許可するの。
「このお店、ちょっと私が気になるから、見てもいい?」
そう言ってあげると、つぼみちゃんは満開に咲く花のような笑顔になるの。
こう、ペカーっと、可愛らしく、愛らしく。
「い、いいよいいよ!み、見よっか!!」
少し声が上擦っちゃうのも大変可愛い。
笑顔で私の腕を引いて、ルンルンしながらお店に入るカノジョを後ろから眺めると、ほんとに子供みたいにはしゃいじゃってて、もうほんと、どんどん私の中の『つぼみちゃんへの愛』が重くなっていくのが分かる。
誰にも渡したくない。
私だけのカノジョ。
世界中に自慢したい。
私だけのカノジョ。
誰にも知られたくない。
つぼみちゃんは私のもの。
みんなに知ってもらいたい。
つぼみちゃんの良いところ。
あぁ、どんどん、どんどん。
どろどろと、私のカノジョへの愛が溶けていく。溶けて、私の心の容器を最大に埋めて。
そして溢れ出て。
私の愛が、重たく、そして溢れていく。
出来ることなら、つぼみちゃんをこのままどこかに閉じ込めて、私が一生お世話してあげたい。
………そんなことを思っていると、つぼみちゃんは思い出したように私の名前を呼んだ。
「あっ!そうだ、桃花ちゃん!!」
「ん?どうしたの??」
「あ、あのさあのさ!こ、この後よかったら、その、そのさ!(モジモジ)」
「ふふふ。いいよ。何でも言ってみて?つぼみちゃんの言うことなら何だって聞きたいの」
「え、えへへ。え、えっとね////その、このあと一緒に、ラ、ランジェリーショップに、行きたいなぁ!って!!!」
「ランジェリーショップ????」
私はコテンと首を傾げる。
「そ、そう!そのその、私、桃花ちゃんの下着を買ってあげたいなぁ、と思いまして!!!」
あぁ、なんて可愛いんだろう。
キャラが変わってしまってるところも。それくらい楽しんでくれてるところも、大変愛おしい。
「いいよ。…………行こ?」
「(ぱぁー!!!)うん!!!!」
◇ ◇ ◇
in ランジェリーショップ
「ご、ごめんね?桃花ちゃん」
「(っ⸝⸝>⤚<⸝⸝)プイッ」
「ほ、本当にごめん!」
「(*˘^˘*,,)ぷいッ」
「こ、こっち向いてよぉ」
つぼみちゃんが涙目で私の袖を引っ張る。
何があったのかを説明すると、、、
私たちはランジェリーショップにやってきた。
入店すると、入口付近に店員さんがいたの。
まぁ、確かに美人だとは認めるけれど。でも、つぼみちゃんはその女性を見て、あろうことか顔を赤くして照れたのだ。
許せない!!!
私以外の人を見て、恥ずかしがるなんて!照れた表情を見せるなんて!!
つぼみちゃんは私だけのカノジョなんだから!
と、そんな感じで私は不機嫌になって、今に至る。
「………つぼみちゃんは、私のものなのに」
「〜〜〜〜〜〜っ!!!」
「許してほしい?」
「許してほしい!」
「………じゃあ、罰として。そのつぼみちゃんが私に買ってくれる下着は、つぼみちゃんが選んでほしい。私が選んだものを買ってくれるよりも、つぼみちゃんが選んでくれた下着が欲しい」
自分で言ってて、恥ずかしくなってきた。
少しわがままだったかな?
チラリとつぼみちゃんの様子を窺う。
「は、鼻血が!」
つぼみちゃんは一人で盛大に悶えていた。
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