三日目

今日の晩ごはんはパスタと大根サラダ、そしてフライドチキン。

今日はちょっと楽をさせてもらった。パスタは茹でて市販のソースを和えたオーソドックスなもので、サラダとチキンはスーパーのお惣菜コーナーにあるものをチョイス。

昔に比べると質がよくなっているのもあって、こういうものがあると助かる。

息子も文句一つ言わずに食べてくれるはず。最も、いまとなっては文句どころか、言葉すらないけど。


言葉どころか、呼吸もしていないのだから。



死後硬直は昨日よりもいっそう緩くなっていて、顎を動かしても音はしない。ただ、そのぶんグニャリグニャリと滑らかに開閉できるので、ある意味、昨日より不安になる。

口臭がきつい。おそらく、内臓が腐ってガスが充満しているのだろう。せっかくごはんを食べさせてあげているっていうのに…。



恒例のお風呂タイム。服を脱がせて洗い場へと運び入れる。

息子の死体には、青いアザのようなものがうっすらと、全身に浮き出ている。ここまで色が変化してきているからか、あるいは単に慣れたからか、もう気まずいとも思わない。ただの作業だ。

体を洗ってあげているとき、

ブニュッ

と、何回か苦しそうな音がした。


…どこか潰してしまったのでは!?


不安になって確認するも、見てわかる欠損はない。内側を潰したのだろうか?

心配だが、とりあえず湯船に入れる。

死体は、ところどころ軽く膨れていて、特に腹部の膨れ具合がひどい。両手が水面に浮いている。体内のガスのせいだ。



いつものように息子を布団に寝かせたが、自分は今日はシャワーで済ませた。とても湯船に入る気にはなれなかった。

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