第4話
「おまたせ〜裕介〜」
「全然待ってないよ〜今日は、その、、女の子に聞くには結構リスクがあるからってことで、姫乃の好きな飲み物買ってきた。」
そう言って俺は、姫乃にオレンジジュースを渡した。
「さすが、裕介は私の好きな飲み物よく知ってるね。裕介ってさ、私の家も知ってるし、家族構成知ってるし、苦手なこと得意なこと知ってるし、何でも知ってるよね。逆に怖い(笑)」
「でもまあ、何でも知ってるわけでもねえよなぁ。」
「どういうこと?」
「だって、姫乃の男子のタイプ知らねえもん(笑)知らねえのに俺は、、」
あぶね。流れに流されすぎて思わず告白しそうになった。
「なんかさぁ、最近裕介私になにか隠し事してるよね。毎回、”俺は、、”って言って黙っちゃうよね。私には隠し事しないとは決めてないけど、幼馴染なんだよ?でもまあ、言いたくないことを強制的に言わせることはしないけど。で?私の男子のタイプ?まあ、世の中の人あるあるで”好きになった人”がタイプではあるんだけど、比較的話すことができて、あまり気を使わない人が私は好きかな。私が言ったんだから、裕介も教えてよ?」
「俺は、、、」
好きな人の前でタイプなんか言えない。なぜか言うのに躊躇う。俺の頭の中には2つの選択肢があった。シンプルにタイプを述べるか、告白するか。
でも、ここで告白をして本当に受け入れてもらえるのだろうか。いや、今この雰囲気だからこそ、告白をするべきなのか?俺の中で決断が決まってしまった。よし。ここで想いを伝えよう。
「俺のタイプは、ひめ、、、」
「姫乃〜!」
後ろから声がしたので、振り返ると男が姫乃の方に近寄ってきた。
「ここでなにしてんの?
「いや、今日お前、あれじゃん。急がねえと終わるって。」
「あー!!そうだった。ごめん、裕介。ばいばーい!!」
今一体何が起きた?さっきの男は誰だ?雄真とか言ってたな。あーなるほど?姫乃の彼氏か。じゃあ、俺には眼中なしってわけか。じゃあ俺が姫乃の隣を埋めることはできないってことか。じゃあ、俺は今すぐにでも姫乃へのこの気持ちを止めないといけないんだな。
____________________
俺はショックすぎて家に帰り、ベッドにダイブした。
なんなんだよ、あの男、、。俺より結構かっこよかった。しかも、アイツ、
姫乃のことを”お前”呼びしてた。なんとも失礼な。たとえ彼女だったとしても、名前で呼んだれよ。あーあ。俺、明日どんな顔して姫乃に会えばいいんだろう。今の俺の中で、混乱とショックが混合しすぎて頭痛がしてきた。俺はそのまま、夕飯も食べず、入浴もせずに寝落ちしてしまった。
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