第4話 レンズ


 いつか、私たちは真っ白なノートに点を、線を描いた。

 直線を引き対称なレンズを描いた。1点から真っ直ぐにレンズの真ん中を突き抜けて、何本かの線を付け足して、私たちはもう一つの点を決めた。最後に矢印を書いて虚を描いた。そうやってなんてことないノートを埋めてきた。


 本当になんてことないノートだったのか、ただの余白にすぎないのか。考えたことはあるだろうか、実像が本当に実像であるのか、虚構は虚構でしかないのか……。

何がそれを実像、虚像とたらしめているのか、誰にわかると言うのだろう。

 

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