いつでも好きなタイミングで【短歌連作】

大 杉

いつでも好きなタイミングで

並べれば善いもきれいもかしこいもどんぐりは背を比べはじめる


背伸びってセノビック飲むとかじゃないらしい フランス料理とかかな


歩くときつま先うまく使えないし、背伸びをしたら転ぶたぶん


大きくてぴかぴかの彼まっさきにぴえろのメイクされて泣いてた


出る杭はアレらしいこと ハードルを下げてそのした匍匐膝行ほふくしっこう


怒られを発生させぬためならば伸縮自在新種どんぐり


かわいいが正義らしくて縮こまる かわいそうにはなりたい、せめて


できること全部やったと言うためにできなかったを産み出すハック


ほめられどほめられどなお自己評価やましいことはいくらでもある


傷口をきれいによけて軟膏を塗ってくれたねやさしい世界


どんぐりの帽子の下に実らせたスポンジみたくやわらかい脳


傷痛し 気付いていたし、異体かつ意外で居たいばかり ばか ぼく


ぼくやっとプレイアブルになったかも 頭の先を風に撫でられ


殻の外にょきり突き出す上半身 ハンマー持てば崖も登れる


どんぐりが背比べなどするものか 定規を当てているだれかの手


ちはやぶる市場経済こころなくお祈りされる神ならぬぼく


鼻につきたくなくて華をもたせてばかりいたから花が咲かない


為せば生るという虚像をピーリング 味覚で勝負 剥き身の果実


かかってこい!いつでも好きなタイミング(ぼくがダメって言う日以外)で

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