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2023年12月9日 00:00 編集済
>船や城に使う大筒と、野戦で使う大筒は分けて作った方がよいと見ました。同じものを使えば、野戦では重く行軍の妨げになり、海戦では威力が弱く使い物にならないものとなりましょう。18世紀前半に活躍したジャン・マリッツによりドリル掘削方式の大砲製造装置が発明される以前だと、砲腔部分も含めて粘土などで鋳型を作り鋳造するため、砲腔の形状や形成位置が今一で、それが大砲の威力向上を阻んでいた様です。砲腔の直線性や断面の真円具合が低い(砲腔と砲弾の隙間を大きくする必要が出てくる)事や、砲身中心線と砲腔中心線とがずれる事(同一断面上でも砲身の厚さが不均等)で強度面の偏りが生まれ、砲腔圧の許容値向上を阻害したこと、それらが相乗効果で悪く働いた様です。そのジャン・マリッツの発明(ドリル掘削なので砲腔部分の規格化が可能になった事)を活かして、1730年代からフランスでは大砲の装備体系整備が成されます。ド・ヴァリエール・システムと呼ばれるもので、その大砲群はフランス軍だけでなく輸出先のアメリカでも独立戦争で活躍するのですが、『重めな砲身』+『未熟な砲架』の組み合わせにより機動力が不十分な事、および榴弾の類が普及する前だった事により、この時代でも野砲の活躍は限定的だった様です。(一応、ブドウ弾やキャニスター弾でも面制圧は可能だけど、距離が稼げないので大砲の長所の1つが削がれてしまいます)(速度や密度が同等で相似形の場合、空気抵抗は面積比・質量は体積比で増大するので、大口径の方が運動エネルギーに対する空気抵抗の比が小さくなり減速し難くなるので、射程の面で有利となります)状況が更に改善するのは、1760年代以降に整備されたグルボーバル・システムの辺りから。砲腔と砲弾の隙間を小さく出来る事を活かして威力を維持しながら砲身を短くした事、砲身中心線と砲腔中心線の精度が上がった事を活かして砲身を薄くした事、過度な装飾を排除した事、などにより砲身の軽量化が計られます。更に、砲架の改良も成されて機動力が向上。また、榴弾や榴散弾などの普及も重なり、大砲は野戦でも花形と化したようです。その成果を最も活かしたのは、(フリードリヒ大王のように変革期に上手く活用した人もいますが)恐らく砲兵将校だったナポレオンでしょうね。秀持が思い描いたのは、そんな200年ほど後の装備体系に相当するのかな。発想の原点は、もっと時代が下った先の、20世紀以降の近代的な野砲かもしれませんが。
作者からの返信
すごい情報量ありがとうございます。ご存知の通り、大砲が戦場の主役に躍り出るまではまだまだ時間が必要です。ウルバン砲のような物もすでに登場していますが、大口径で輸送に手間取るものを配備するより、陸戦では取り回しのいいものを要求している側面が強いです。ただ威力の高い砲の開発も必要と考えているので、そういうのは船にまかせてしまえって感じですかね。最悪作っていれば必要になれば流用できるので
2023年12月8日 23:10
勝蔵さんが出るといつもホッコリします現場は血の海でしょうが…
自分も好きです勝蔵さん信長との関係性が好きで、それを引き継いじゃいました。これからも色んな人に迷惑かけつつ、まあ勝蔵だしで乗り越えていきます。
2023年12月8日 20:39
森長可殿の黙らせるって、頭部が胴体から切り離されるって意味ですよね…良いんだろうか(^o^;)
ありがとうございます。軽率な表現だったと思いましたので、展開を変更いたしました。東南アジアでの明の影響力を低下させて日本の影響力を強める意図だったのですが、主人公がとる行動としては良くないと考えての変更です。
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>船や城に使う大筒と、野戦で使う大筒は分けて作った方がよいと見ました。同じものを使えば、野戦では重く行軍の妨げになり、海戦では威力が弱く使い物にならないものとなりましょう。
18世紀前半に活躍したジャン・マリッツによりドリル掘削方式の大砲製造装置が発明される以前だと、
砲腔部分も含めて粘土などで鋳型を作り鋳造するため、砲腔の形状や形成位置が今一で、それが大砲の威力向上を阻んでいた様です。
砲腔の直線性や断面の真円具合が低い(砲腔と砲弾の隙間を大きくする必要が出てくる)事や、
砲身中心線と砲腔中心線とがずれる事(同一断面上でも砲身の厚さが不均等)で強度面の偏りが生まれ、砲腔圧の許容値向上を阻害したこと、
それらが相乗効果で悪く働いた様です。
そのジャン・マリッツの発明(ドリル掘削なので砲腔部分の規格化が可能になった事)を活かして、1730年代からフランスでは大砲の装備体系整備が成されます。
ド・ヴァリエール・システムと呼ばれるもので、その大砲群はフランス軍だけでなく輸出先のアメリカでも独立戦争で活躍するのですが、
『重めな砲身』+『未熟な砲架』の組み合わせにより機動力が不十分な事、および榴弾の類が普及する前だった事により、この時代でも野砲の活躍は限定的だった様です。
(一応、ブドウ弾やキャニスター弾でも面制圧は可能だけど、距離が稼げないので大砲の長所の1つが削がれてしまいます)
(速度や密度が同等で相似形の場合、空気抵抗は面積比・質量は体積比で増大するので、大口径の方が運動エネルギーに対する空気抵抗の比が小さくなり減速し難くなるので、射程の面で有利となります)
状況が更に改善するのは、1760年代以降に整備されたグルボーバル・システムの辺りから。
砲腔と砲弾の隙間を小さく出来る事を活かして威力を維持しながら砲身を短くした事、
砲身中心線と砲腔中心線の精度が上がった事を活かして砲身を薄くした事、
過度な装飾を排除した事、などにより砲身の軽量化が計られます。
更に、砲架の改良も成されて機動力が向上。
また、榴弾や榴散弾などの普及も重なり、大砲は野戦でも花形と化したようです。
その成果を最も活かしたのは、(フリードリヒ大王のように変革期に上手く活用した人もいますが)恐らく砲兵将校だったナポレオンでしょうね。
秀持が思い描いたのは、そんな200年ほど後の装備体系に相当するのかな。
発想の原点は、もっと時代が下った先の、20世紀以降の近代的な野砲かもしれませんが。
作者からの返信
すごい情報量ありがとうございます。
ご存知の通り、大砲が戦場の主役に躍り出るまではまだまだ時間が必要です。
ウルバン砲のような物もすでに登場していますが、大口径で輸送に手間取るものを配備するより、陸戦では取り回しのいいものを要求している側面が強いです。
ただ威力の高い砲の開発も必要と考えているので、そういうのは船にまかせてしまえって感じですかね。
最悪作っていれば必要になれば流用できるので