虫刺され

”蚊に刺されちょい”大久保は胴にかゆみを感じて目を覚ました。あたりはまだ真っ暗である。”眠りを妨げられた”そう不満に思いながらも起きてしまったものはしょうがない。大久保は起きて明かりをともそうとしたが、少し物思いにふけることにした。”もしかしたらわしを起こしたんな吉之助さあかもしれん。いや、あんしは優しかでそげんこっはせんか。じゃっどん、あんしを窮地に押しやったんな紛れもなっわしじゃ。どげん目にあってん不思議じゃなか。いや、わしはいずれ蚊じゃなくほんのこてだいかに刺さるっかもしれん”

”吉之助さあ”大久保は感傷に浸っていた。しかし、いつまでもこうしていることは性に合わない。大久保は眼が冴えてしまったことを理由に布団から起き上がり、いつものように業務を再開した。

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無視できない人々 @anomaron

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