勉強教えてください

彩花が転校してきて約一ヶ月僕にはいま中間テストという最悪なものが迫ってきていた。


「テスト範囲ぜんっぜんわかんねぇんだよ〜教えてくれよ〜」


昼休み先生が貸してくれるトランプで隼人と二人ババ抜きをしながらせがむ去年から恒例行事であるテスト前にトランプに誘いババ抜きしながら教えを乞う


「いやだね、去年何回も教えたのになーんも教えたとこほとんどできてなかったじゃないか」


言い返せない


「今回な本気なんですお願いです隼人様」


「へぇ〜なんで本気なんだい?」


「実はさ〜」


話は一週間前に遡る



〜〜〜〜〜〜〜〜



「一週間後中間テストだねー」


いつも通り一緒に登校していると彩花が不意に言い出す


「そうだなまぁ今回も結果は見えてるけどな」


「いつもはどれくらいなの?」


「だいたい五教科合計二百点くらい学年順位は全体の真ん中より少し後ろだよ」


「へぇ〜頭良さそうなのにね」


「一年最初は取れてたんだでも全然取れなくなってね」


「あるあるだよねぇ〜」


「まぁ今回もだいたい真ん中ねらってがんばひますよ」


「学年って百八十人だよね?」


「そうだけどどうして?」


「じゃあだいたい毎回九十位くらいでしょ?」


「今回の中間テストで四十五位いないに入ったらご褒美あげるよっか?」


「なぜいきなり」


「目標立ててご褒美チラつかせたら順位伸びるのかなぁ〜って思ってさご褒美内容は秘密ね」


僕は犬かなしかし

めっちゃめちゃご褒美の内容が気になる健全な男子中学生が女子からのご褒美と言われて気にならないはずがない


「いいだろうその提案乗ろう」


「いいね頑張って」


〜〜〜〜〜〜〜〜


「ということがあった」


「なんつーかさお前....案外美波さんと仲良いよな」


「隼人は名前呼びじゃないの?」


「名前呼び苦手なんだよ」


「でも僕のことは名前呼び...」


「幼馴染じゃないか」


「そうだな」


「よし話を戻そう美波さんと仲良くないか?」


「あれじゃないか友達になる過程で一緒に登校する約束して一緒に登校してるからじゃないか」


「なるほどなぁ一緒に登校する約束ねぇ....」


「なんか言いたげだな」


「いやだって俺と一緒に登校してくれないじゃん」


「え、だって隼人朝他の友達と登校してるんじゃないの?」


「いや俺、朝一人だけど」


「じゃあ一緒に登校する?」


「その言葉待ってたぜ」


「じゃあ学校登校途中にある交差点に七時四十五分までに集合な」


隼人はおっけーと返事をする。最近は去年より学校生活が充実してる気がする。嬉しいね


「あ!」


「透どうしたそんな大声でうるさいぞ」


「まだ勉強教えてくれる約束取りつけてなかった」


「ちっ思い出したか」


「なぁお願いだよ隼人〜お前もご褒美ってやつ気になるだろ〜?」


「はああああわかったよわかった勉強教えてやるよ」


隼人は深いため息をつきながらも了承してくれた。


「今週の土曜に透の家で勉強な」


「おっけー感謝しますぜ隼人」


「おもしろそうな話してるね勉強会でもするの?」


横から声がかかる声のぬしは美波彩花だった。この後のことは予想がつく


トランプのカードが手から滑り落ちる。

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