僕とかっこいい主義者彩花とのアオハル録

かっこいい主義者

部屋にスマホのアラームが鳴り響く

スマホに手を伸ばし時刻を確認する


「六時か、よく寝たぁ〜やはり十時間睡眠だな」


スマホのアラームを止め軽く伸びをし布団から出る


(確か今日の時間割は普段通りだよな)


今日の時間割を心の中で確認しながらカーテンを開けタンスから体操着を取り出して着る


「制服着るのだるいなぁ....」


そんなことを言いながらも制服に袖を通す

その日の気温は二十三度と例年の平均気温通りだった。昨日と比べだいぶ過ごしやすい気温である。朝食をすませ寝癖を直し自転車に乗りいざ学校へ




学校へ行く途中の交差点で止まっていると不意に横から「朝から気だるそうな顔してるね」と言われる。美波彩花だった昨日来た転校生まさか通学路が同じだとは思わなかった。


「家から学校までが地味に遠くてね学校へ行くのはいいんだ行く過程がめんどくさいんだよ」


「へぇ〜学校へ行くのは嫌じゃないんだ」


「まぁ友達と言えるやつは隼人しかいないけどそれなりに学校は楽しいからな」


「あ、そういえばまだ透くんとは友達になれてなかったね」


「昨日あったばかりじゃないか」


「おーけーおーけーじゃあ今から友達ね」


「はは...よろしく」


苦笑いをし友達になることを了承する了承するっておかしい気もするけど、まぁ友達が増えたことはきっといいことだろう。こんなことを考えていると彼女が言う。


「ねぇどうせ通学路同じなんだし....」


「同じなんだし?」


「一緒に登校しない?」


女子に一緒に登校に誘われるなんて初めてなことで一緒固まってしまう。


「なんとおっしゃいましたか?」


「え、だから一緒に登校しようって」


おどろいた僕にそんなことを言ってくるやつがいるなんてまぁ友達だし一緒に登校するくらいあっていいはず一緒に登校する人ができることはいいことじゃないか僕よさぁ勇気を振り絞って「いいよ一緒に登校しよ」と言うんだ!


「い゛っいいよ一緒に登校しよ」


噛んでしまった

彼女はぽかんとした顔をしたあと笑いそんなに緊張しないでよ〜と言ってくれた。あとついでにお互い透、彩花呼びにすることになった。


学校に到着する。ここで僕はひとつだけ疑問に思ったことを席に着いたあと聞くことにした。


「なぁなんで僕にそんなに絡んでくれるんだ?」


謎だったのだ平均以上で可愛い彩花が僕に話しかけてくれる理由がしかし彼女の回答には驚かされた。


「まだ友達になれてなかったの透だけだったからさ〜他の人は昨日のうちに仲良くなれたんだよねぇ〜」


彩花は伸びをしながら答える

驚愕である確かに毎授業間にクラスの人達に囲われてはいたがまさか全員と友達になっているなんて....スゴすぎる。


「それでまだ友達になれてない僕を交差点で見つけたから話しかけてきてくれたってことなのね」


彩花はそうそうと頷く


(コミュ力凄すぎだろ....)


「もうひとつ聞きたいことがあるんだけどいいかな」


「うん全然いいよー」


「なんで昨日あんな登場の仕方したんだ?」


「え?言わなかったっけその方がかっこいいと思ったからだよ」


「かっこいい?」


「そうそう私ねなるべくどんな事でもかっこよくなるようにしたいんだ」


「かっこいい主義者だな」


「いいねそれ今度から自己紹介はそれ使おうかな」


「いいんじゃないか?」


そんなことを話していると先生が入ってきて朝の会が始まる。


一時間目は理科で発熱反応の実験だった。

理科室の机に座り実験のやり方をよく聞く

それぞれ班での実験になる


「えーとまずこれとこれとこれを入れて混ぜてあとは経過時間毎の温度のへんかを記録するだけか」


作業を終わらせて記録の体制に入ろうとすると「ねぇ暇あぁぁぁぁ」と目の前に座っていた彩花が言い出す。今日僕の班は彩花と僕だけだほか二人は休みである。


「もっと派手でかっこいい実験やりたいぃぃぃぃー」


「プライベートで安全に配慮してどうぞやってください」


「わかったよぅでもさ暇だからなにかしない?」


「じゃあしりとりなんてどう?」


「しりとりねいいよ言っとくけど私強いから!」


しりとりを初めて三分こいつ「り」攻めしてきやがるこれも「り」で圧倒した方がかっこいいからという理由なのだろうか

何分も考え返し、また「り」で返されるそんなことをしてるうちに時間は過ぎていったそう記録の紙は白紙のままで...


もちろん先生に怒られそのせいで次の授業にもおくれ怒られるというなんとも可哀想な目にあった。まぁ普段は授業中ほとんど誰とも話さないから案外楽しかったけど。


二、三、四、五、六と授業&掃除・帰りの会が終わり部活の時間がやってくる。


部長が挨拶をして部活がスタートする僕の所属部はロボ部、年に一回あるロボコンと呼ばれる大会に向けてロボットを制作していく部だ。


「みんな〜ちょっといいかー」


遅れてやってきた先生がみんなに呼びかける

新入部員がいるんだ入ってきなさいと先生が言うと金工室の扉が開く入ってきたのは美波彩花だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る