僕と〇〇主義者たちのアオハル録

@MIMO0046

プロローグ

出会い

僕の名前は信条透しんじょうとおる

現在三十歳彼女いない歴=年齢だ

あまりに暑い夏の日

実家に帰り無性に自分の部屋の整理を始めた。途中六歳離れた兄の子が入ってきて手伝ってくれた。六歳なのになんてできた子だ!


「おじちゃんこれなに?」


姪がひとつのノートの束を差し出す。


「あぁこれはおじちゃんが中学生から高校生ぐらいまでに書かれたノードだよ多分」


「へぇ〜おじちゃんも子供の時があったんだね」


「そりゃね」


この会話はそこで終わり他のことを話しながら部屋の整理を終わらせた。

風呂に入り夜飯を食い歯磨きをして布団に入る時に整理の時に自分の机の上に置いたノートの束が目に入る

僕に中学の頃と高校の時の一部の記憶がな無い、なぜか勉強した内容などははっきり覚えているだけど"思い出"と呼べるものが記憶にない

僕はノートを読めば何かわかるかもしれないと思いノート束から一冊手に取り読み始めるタイトルは、「僕とかっこいい主義者のアオハル録」はぁなんでこんな名前つけたのやらと思いながらページをめくり始める。


〜〜〜〜〜〜〜


彼女は言った。

カードゲームで相手の体力を少しずつ削って確実に勝つよりギリギリまで削られ最後で逆転する方がかっこよくて好きだオセロも相手をパスしかできなくして負かす方がかっこいいと


中二の五月始め新学年が始まり新たな年度が始まり少しずつ新しいクラスの環境に慣れ始める頃

その日の気温は二十八度と例年に比べ暑い日だった。

「はああ春にしては暑すぎんか」

教室の窓際一番後ろの席で机に伏せそんな言葉を漏らす


「なぁ〜に寝てんだよっ!」


と背中を叩かれる。地味に痛かった


「いってぇなぁ何すんだよ隼人お前に慰謝料を請求する」


背中を叩いて来たのは中洲隼人なかすはやと僕の幼馴染だ


「何言ってんだ朝から元気の無い幼馴染を元気づけてやったんじゃないか」


「お前は朝から元気だねぇ」


隼人は爽快に笑い朝の準備をしに自分の席へ行った。

何が面白かったのかはさておき私にこんな素晴らしい陽キャの幼馴染がいることはいいことなのだが私も陽キャという訳ではないことを言っておこう私はいわゆる平凡な学生だそう平凡だ。


(まぁ学業は多少できるし多少はできる平凡学生かなきっと)


そんなことを考えていると予鈴がなり皆が席につく日直の子が前に出て朝の会を始め先生の話になる


「えぇ〜今日は転校生がいます」


転校生が来る時は大抵誰かが情報を掴んで先生が知らせる時にはみんなに広まってると言うのに誰も知らなかったため皆が驚いていた。


女子だったらいいな


イケメンだったらどうする?


ヤンキーだったら?


などと皆が周りの人と話し始める先生がそれを制し入ってこいと教室のドアに向かい言う。しかし誰も入ってこない何かあったのかなとみんなが心配し始めた時教室の廊下側一番後ろの席で一人の少女が立ちこう言い放った。


「完璧な気配消し!先生!先生でも私がここにいることは気づかなかったようですねっ!!」


と右手を顔に当て左手を窓側に伸ばしカッコつけながら彼女は言った。


「美波....なぜそこにいる.....」


先生頭を抱えて言った


「いやぁ普通に入ってくるよりいきなり席から現れた方がかっこいいかなって思いまして..」


先生はため息をつき前に出て自己紹介をするよう言った。

彼女はとても明るい顔をしていて肩の少し上まで髪が伸びていたいわゆるボブという髪型だろうかよく分からない。

彼女はスキップ混じりで前に出て元気よく自己紹介を始めた。


「はじめまして!美波彩花っていいます!よろしくお願いします!」


元気がありとてもいい自己紹介だ。


「美波の席は....信条の横だな信条色々教えてやってくれそれじゃ一時間目の準備をするように」


そういうと先生は教室を後にした。

なるほど昨日席替えした理由は彼女の席を確保するためだったのか。そんなことを思っているとスキップ混じりで歩いてきて隣に座る。


「よろしくね!信条くん!」


「あぁよろしく」


無難に挨拶を返す

これが彼女との最初の会話


きっとこの日を境に僕は不思議なことに巻き込まれながらも学生人生をいい方向に傾いていったんだと思う

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