第12話 質疑応答

 今日は夕方から、質疑応答回を撮ることに。


「今更だし、視聴者がオレたちに聞くことなんてあるのか?」


 スウェットとステテコ姿で、オレは星梨セイナおばさんに質問をする。


「こういうのは、動画の一発目だろ? なあ?」


 風呂上がりの夢希ムギも同じように、首を縦に振った。Tシャツと短パン姿で、棒アイスをかじっている。あまり興味なさそう。


「今のうちにやらないと、一生やらないかも知れないわよ。快斗カイトだって、ムギちゃんのこと、よく知りたいでしょ?」


「それもそうか。よしわかった。やろう」



 まずは、オレから始める。

 


「よお、カイカイだ。今回は、質疑応答と題して、質問に色々と答えていこうと思う。よろしくな」



Q.所属は?


「現役の学生だ。今は、キューピッツ・フォレストって会社で、世話になっている」




 おばさんの運営している会社名だ。




Q.趣味は?


「映画鑑賞だ。アクションか、が好きだな。とはいえ、何でも見るぞ。ただ、ホラーはあんまり見ない。当たり外れが大きいからな。あと、多少ゲームをするくらいか。とはいえゲーム代でバイト代が消えることは、まずないぞ」



 星梨おばさんは学生時代、ゲーセンでバイト代を五割くらい溶かしていたそうだが。



Q.好きな女性のタイプは?



 答えづらい質問だ。



「どうだろう? オレのことを好きになってくれるヤツかな。思いつかないや」




 二次元だったら、この子! ってすぐに言えるもんなんだけどな。




Q.相方のことをどう思っている?


「なんでもできる子だと思う。ぶっちゃけ、オレにはもったいないくらいの女性だ」




 正直、婚約者でなかったら、一生接点なんてなかったんじゃないか?




Q.どこまでいった?


「どこまでもいってないぞ。手すら握っていない」




Q.してあげたいことは?


「料理かな? 雑に肉を焼く程度でよければ、毎日だってやってやるぞ」




Q.相手にしてほしいことは?


「ないな。強いて言えば、お互いに尊重し合える関係になりたいって思っている」




 オレの質疑応答を聞きながら、ようやく夢希がアイスを食べ終える。


 続いて、夢希の番になった。




「よおムゥだ。今回は、わたしも質疑応答をうけるから、心して聞けよ」




Q.ぶっちゃけ、三サイズを


「上から九〇、五九、一〇〇」




 ヒップの方が大きいのか。ムッチリだな。オタク系グラビアアイドルと、同じスリーサイズとは。メガネを掛けているところや、顔もどことなく似ているかも。


 


Q.学校では、どんな感じ?


「暗い、の一言だな。二人組を作ることが、毎日のストレスだ」




 オレと同じだな。




Q.趣味は、やっぱり映画?


「そうだな。わたしはミステリ系が好きだ。知恵を絞るのが楽しい。アクションでも、頭を使った切り抜け方をされると、おーっ、てなるぞ」


Q.初体験はいつ頃?


「まだです」


Q.好きな異性のタイプは?


「くつろげる人。面白くなくていいし、ムリに気を使わなくていい。こちらも気を使わなくてOKな人がいい。顔は、清潔感があれば」 


Q.相手に尽くす方? 甘えん坊?


「一人っ子だから、甘えん坊かも。親戚筋でわたしが一番下なんだが、お兄ちゃんお姉ちゃんもいないので、甘えたい、かも」



 意外だった。てっきり尽くすのが好きなのかと。




Q.相手のどこが気に入っている?


「緊張しないところ。ウチは親戚全員が、なにかしらピリピリしていて。ちょっと近寄りがたくて。でもカイカイは、全然普通に接してくれる」




 これ以上は、夢希の周囲から身バレしそうだ。プライベートな質問は終える。




Q.似た者同士な感じがするけど?


「そうかも。でも、話してみるとぜんぜん違う感じ。それは、交際してみないと伝わらないかも」


Q.相方に求める要素は?


「一緒にいて楽しければ、それで」


 






 




Q.最後の質問。ぶっちゃけ初た


「まだです」

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