第14話 邪龍の血

 ──唐突に、目覚めた。

 まるで電源が急にオンにでもなったかのようにフッと覚醒する。

 加速度的に意識が明瞭になっていくと同時に、喉に刺さるような痛みを感じてばね仕掛けのように飛び起きる。

 ……が、痛みはすぐに治まってくれた。何とか一息つきながら、落ち着いて辺りを見渡す。

 どうやら病室か医務室のようだ。俺的には多少馴染み深い場所ではある。

 死後の世界──地獄とかじゃなくて良かったなと少しだけ謎の安心感だ。いや、俺が今ここで死者ではないという証明は出来ないか。目に映る光景はあまりにもリアリティではあるが、仮にここが死後の世界というのであれば死してなお痛覚を伴って意識の観測をするということは第二の世界でしかない。

 ──地獄に墜ちたような責め苦は味わったばかりだからな、とまた少しジンジンと痛み出した喉をさする。

 まさかサリンを使うとはな……あの博士め……。

 初対面の印象から危うさは感じていたのだが、その想像を簡単に超えてきたことに驚きを通り越して呆れてしまうレベルだ。

 結果的にこうなったという象徴の医務室から目を背けて自分の身体を見下ろすと、着ていた衣服がいつの間にか変わっている。

 理由としては衣服に付着したサリンガスを除去するために、衣服ごと処分したのだろう。当然の対応だな。

 狐に化かされたような全身の衣替えを確認したところで、喉だけでなく眼の違和感までも表出してくる。また、脳が覚醒状態になるにつれて、咳も少し出始めた。悪心もあるし、身体全体も極度に疲労している。

 明らかにサリンガスの後遺症だな……。

 結局、あそこで俺は自分で命を救ったのだろうか。

 俺の足掻きに意味はなく、ただ単に医務官が助けてくれたのではないか、と。

 スコーピオンの能力は、本当に覚醒して使えるようになったのか……。

 ──実際問題、あそこで硫酸アトロピンの生成に成功したいのかもしれない。可能性はある。だからこそ、この程度の後遺症で済んでいるのかもしれない。

 あのテロ事件での被害報告書を一回読んだことはあるが、今自覚する限りは、その中でも比較的俺は軽症の方だ。

 勿論、重度の風邪を引いているかの如く身体は倦怠感に包まれていて各部位にもダメージは残っているのだが、それでもまだマシな方である。

 と、ここまで自己分析セルフ・イクザミンをしていた時に、コンコンと部屋のドアをノックされる。

「新藤さ~ん? 置きましたか~? 入りますよ~?」

 ベッドからドアまで遠いのもあって聞こえづらいが、どうやらマリーさんの声だ。俺の胸に取り付けられている心拍モニターか他の器具から覚醒状態を察知したらしい。

 はいどうぞ──と声を出そうとするも声帯に引っかかる感じがして声が上手く出ない。多分、無理に出そうとすれば損傷するだろうなと思いとどまって仕方なく無言で扉が開かれていくのを見届ける。

 予想通り、白衣姿のマリーさんが入室してくる。パッと見はお医者さんの恰好なのでこの部屋にも調和している感じだ。

「良かった! 新藤さん気が付いたんですね! お声を出すのはまだお辛いと思うので、わたしが一方的に話しちゃいますがお許しくださいね!」

 マリーさんの優しい光が、あの狂気の博士の闇と対比して余計に目立つ。

 今はただ、自分の命が助かってしかも軽傷で済んだ奇跡に感謝しつつ彼女の声に頷きながら耳を傾ける。

「それでは……! 結論から申し上げると、新藤さんが使用された注射器を回収して検査した結果……! なんと、5 しかも!! スコーピオンの能力の残滓と思われる魔導術式の破片も僅かに確認出来たので、新藤さんは『特殊魔導毒マカブル』をということになります! これはとてつもない、快挙ですよっ!!」

 ……マリーさんの話し方はそれこそ栄えある研究成果に輝きを見出す研究員のようで──狂気に墜ちる一歩手前のようにも思えるが実際の所はただ純粋に俺の活躍……のような偉業を褒めているに近いのだろう。それこそ、まるで子供のお手柄を褒めるかのような母親の雰囲気だ。

 あの時は、絶体絶命の状況だったので一切の余裕が無く、そして今も自覚が無いのだがどうやら本当に俺は『能力』を使えるようだ。

 ──俺は、能力を、使える…………

 この場でそんな訳ないと俺が認めなくても研究結果という形で外堀を埋められているし、それにこの力を有効活用出来ればレナ達と一緒に肩を並べて戦えるようになるかもしれない。

 今までの足を引っ張る形じゃなくて、それこそ直接命を救える場面だって出てくるはずだ。自分自身の戦闘力が上がることにも繋がるので俺自身の命の防御力というのも上がることと同じだろう。誰かを救いたいのであれば、まずは自分自身が万全で健康的に、そして救助する際に自身にかかる火の粉を払える程度の実力は持っておくべきだからな。

 ──一方で、今のフィーラのような危険人物としての扱いも受けることになるだろう。

 単に魔力耐性だけならいざ知らず。

 直接的に魔導を持ってして戦えるようになるということは、『人類に対しての敵』にもなりえるからだ。

 デューズ博士の言葉では今後人類は魔術の使用や魔力耐性を獲得するようになる、と言っていた。

 どちらも、何らかの根拠に基づく仮説なのだろう。それを語っている表情はそうなるだろう、では無くもうそうなっているレベルの当然という表情だったのでアスムリンとしては既に確定事項なのかもしれない。

 そうなれば魔力中毒による死者は激減するのかもしれないので、俺が魔導を使えることそのものが危険視される理由にはならないだろう。

 だが、単純に破壊力という観点に関しては人間戦闘兵器という存在でしか無いので危険極まる対象として見られるだけだろう。

 ──俺はもう、フィーラと肩を並べる存在になってしまったのだ。

 それは……光栄なことだ。嬉しくも感じる。重い責任を感じるモノでもある。

 そして──本音を言えば非常に耐え難い、のだ。

 能力を使うということに嫌悪感から耐え難い、という訳では無い。

 俺の……人間性の問題、だ。

 俺は本当に、そのような──を使って良いのか。本当は、使うに値しない程度の低い人間なのでは無いか、と。

 フィーラ達の高潔なる精神を間近で見てきたからこそ、俺のその資格が無いのかと思ってしまうのだ。

 ある意味、この歳になるまで色んな現実を知ってしまったからこそ物怖じしてしまうのだ。

 まだ19歳。若いなと言われるが、だからこそ中途半端な人生量なのだろうか──。

 子供では無く、かと言って大人でも無い。猶予機器の状態モラトリアムの状態なのだ。

 そんな中途半端な人間が、俺以上に揺れ動きながらもしっかり自立しているフィーラという存在と一緒に居ても良いのかという疑問は心の奥底では抱いていた。

 それこそレベル5魔力耐性なんて無ければ、単独でのレベル4撃破成果なんて無ければ、そしてあの時レナに助けられなければ──。

 助けられたことに拒否感は無い。絶対に、無い。

 ただ、どこかで──

 俺じゃない、誰かが本当は適任だったんじゃないかと。

 その人であればゾディアック・スコーピオン討伐戦すら誰も死にかけることなく──最後の最後でレナも倒れることも無く、無事に勝利出来たのではないか、と。

 そこまで完璧では無くても、俺以上に活躍する人材はこの世に居るだろうと思ってしまう。

 そう──ネガティブな思考が漂っていたのは、結局は俺に力が無かったからだと今ならわかる。

 だからこそ、その理由が解消されつつ(能力が使えるようになりつつ)あるこの現状に対して、怯えているのだ。

 『本当に俺は、神の如き能力を扱うに値するのか』

 そのプレッシャーを、耐え難く思ってしまうのは──仕方ないと心の奥底に封印するのでは無く、その自分の弱さすら受け入れて一歩ずつ進むしかないのだろう。

 そう、頭では進もうとしても、心に沈む重りは取れないな……。まあ、これは体調が非常に悪いのだから身体の不調が心にまで響いているのも大きいのだろうが……。

 ──という、長ったらしい俺の心情を察してくれたのか、マリーさんが優しい笑顔で語り掛けてくる。

「……新藤さん。ひとまず、今後の予定をお話しますね。長くなってしまいますが、スケジュールがけっこう詰まっちゃってるんですよね~デューズさんも早く研究したいようで、ゆるしてあげてください~」

 そう彼女が語るスケジュールは、確かに自由度がほとんど無いものだった。

 一人で頑張って話してくれるのを聞きながら頭の中で整理したのをまとめると──

 ・今回ので損傷した身体は一週間で完全回復すると思われるため、休養期間とする。

 ・以降、『魔力実験』を開始する。特に、『魔術魔導再現実験』と『能力再現実験』を行う。

 ・実験が予定の段階にまで到達次第、戦闘訓練を開始する。これは、フィーラとの連携を前提とした魔導戦闘である。

 ・スケジュール内の予備時間において、『新装備検証実験』を行う。

 ──とのことだ。

 最初の回復の時点で一週間費やすということで、どこまで長期的にこれらの実験を行うのか見通しが立たなくて怖い部分もある。

 レナ、アリサ。あの二人に合えない不安が募る……が、今置かれた俺の環境下では信じることしか出来ない。むしろ、それを糧にして追いつけるよう頑張るのだ。

 そして、最後の新装備に関しては気になる所だが、それは予備時間までのお楽しみにしておこう。

 そして願わくば、あの狂気の博士と会う回数は限りなく低くして欲しいな、と僅かに祈るのであった。


 ──一週間の療養生活を終えて、忙しい実験の日々が始まった。

 最初こそ、リハビリがてらという感じの、ウロボロス実験前の日々のような簡単な実験だったのだが、それも最初の二日間だけの話でそれ以降は目まぐるしい実験の毎日が始まった。

 具体的には、朝起きたらすぐ入院生活のように色々と検体を採取されたと思いきやすぐさま別室に連れられて魔力発生実験を行ったり、高負荷の運動と安静状態を繰り返しての心拍操作をしたり等の実験を行った。

 身体を動かすのは自衛校時代での猛訓練で慣れているのでまだマシだったのだが、魔力発生実験については相当しんどいものがあった。

 何故なら、魔力を発生させるという、能力の発現と同様の困難な代物をやれと言われるのだから俺としては困惑しかない。

 フィーラの実験で得られたデータをもとに、『術式』だの何だのを数学の授業のようにや論文で解説されたとしてもハッキリ言って訳が分からない。

 俺の頭が悪いから……という理由よりも、そもそもが難しすぎてそれこそ大学の授業──いや、最高峰の大学教授のような研究者が立ち向かって漸く片鱗を掴めるかどうか、という難易度だからだと思う。下手すればABC理論のIUTレベルかもしれない。それほどまでに、魔力を使うということを人類の脳で理解するのは難しいのだろう。やれるとするならば、ギフテッドの幼児から刷り込み教育を行うしかない。あるいは、フィーラのような感覚で使える者達を見つけるしかない──

 と、デューズ博士が庇って(?)くれたのを理由言い訳として結論せざるを得ない。

 故に、理論がダメなら残るは気合イメージしかないのでただ不格好に力んで、魔力検出装置である金属の棒を握りしめるだけだ。

 が、そんな根性論で何とかなる領域でも無く結果も出ない日々が続く。結局、能力再現実験もあの時死にかけてアトロピンを生成出来た──のか? という疑問で終わってしまったのもあってまた俺は自覚も無く能力を発現させてしまった。厄介なのは、俺に自覚が無いのに周りは凄い成果だと褒め称え、期待されることだ。外堀を埋められては、余計に俺は四苦八苦するしか無くなってしまう。

 凱旋門の崩落で死にかけた時に発現させたフォートレス。

 サリンガスの曝露で死にかけた時に発現させたマカブル。

 この二つの共通点──瀕死の状態(ダイイング)ということから、あのマッドな博士は今度こそ殺しに来るかもしれない。

 その時は……レナの能力でも使って反撃するか、と半分真面目に考えるほどだ。それほどまでのトラウマを、あのマッドな博士は与えてきたのだ。 

 そんな羽目にならないよう、何とか気合で頑張って実験再開から一週間が経過した辺りでは気合を入れていた。

 だが、流石に成果が出ない日々が続くと人間多少はへこたれるものである。自衛隊方式の訓練で精神面を鍛えているとはいえ、それは俺も同じで……

 ──と、少しナーバスになっていた所に、唐突にマカブルの再現に成功してしまった……のだ……!

 理由は不明ながら一回目と同じように血液を抜いて、気合いを込めて~の再現実験でやってその血を分析したら、何とアトロピンが確認出来た……らしい。

 そして、さらに、それまでの実験で色々と身体に入れられていた身近な物質(カフェインやアセトアミノフェン等)を生成し、それも血液から増幅して一定量まで生成に、成功。

 こうしたマカブルの再現に成功したのと同じタイミングで、体内の保有魔力量も前と比べて大幅に一気に上昇。勿論、大型魔獣やフィーラと比べたら雀の涙ほどの魔力量ではあるのだが、俺にとっては大きな進歩でもある。

 自分自身としてはマカブルに関してのコツを掴んだとかそういう感覚は一切無いのだが、とりあえず気合を入れて魔力を流し込んで増幅するイメージを全力でやれば、確率はまだ低いもののしっかりとスコーピオンのレベル5固有能力として、発現させることが出来た。

 また、右手の一部分だけではあるものの、掌に魔力を集中させて流すことにも成功した。

 高濃度魔力を纏うことで光り輝く──といった芸当は出来ないが、それでも明らかに魔力だと検知されるほどまにでは、魔力を出すことが可能となったのだ。

 これもまたコツとか何でも無く、言ってしまえばという範疇であって、俺本人も担当者のデューズ博士も悩みの種になったのだがひとまず置いておきという認識に至った。

 能力の再現や魔力操作に成功した一方で弊害も出ており、特に神経衰弱ブレイクダウンが大きいものとなった。

 これは最初からわかっていたことではあるのだが、体内の魔力を使った際に現れる虚脱感らしい。レナ達に以前聞いていた情報と一致もする。

 フィーラはかなり魔力量を持っているので基本的には魔導戦闘をしたところで大丈夫なのだが、スコーピオン討伐戦のような決死の戦いになると体内魔力が底をついて一気に疲労してしまうのだとか。

 体内保有魔力の絶対量が少ない俺にとっては実験のたびに頻発する問題でもあり、しかしこればかりは筋力の絶対量のようにどうしようもない。

 魔力の回復は普通の人間の体力回復のように身体を安静にして休息と栄養を取れば次第に回復していくらしい。そして、魔力生成器官である心臓から基本的には血液を媒介にして前線に魔力がいきわたるのだとか。

 ある意味では俺が自分の血を能力の媒介に使ったのは間違いでは無くむしろ正解だったのかもしれない。尤も、リッタは自分の血なんて使わずに見かけ上は無から──実際は魔力から毒ガスなり何なりを作り出していたのでそこは能力の専門家プロとして優れている差なのだろう。

 心臓に負担をかける実験をしていたのは魔力量を増やすためでもあったのだなとデューズ博士の話を聞いていて納得したのだが、残念ながらその程度のトレーニングでは魔力量は簡単に増えることは無く、現在の実力では数回マカブルの再現実験をするだけでフルマラソンでも走ったかのように全身が疲労し、精神もかなり気が参ってしまう。

 精神的に疲れるというのはわかるのだが、手足の末端まで重度の筋肉痛になるのはどうしてなのか疑問だったのでその点は詳細に調べられることとなった。

 結果としては心臓や脳といった重要器官だけでなく末端の筋肉に至るまで酷使している理由は俺が未熟なためというオチだった。保有魔力量が少ない分、全身のエネルギーを持ってして魔力を使うような身体の仕組みに現状はなってしまっているのだとデューズ博士は考察し、俺もそうだろうなと納得することになった。

 だが、それでもすぐに体調が回復するのは流石若さといった所で、極度に疲労していたとしても一日置くだけで体力・魔力共に回復する身体であったのは一つの救いだったのだろう。

 例として挙げたフルマラソンでは、本来ならば数週間はダメージが残るものなのだが、俺も昔から訓練して体力はつけているしアスムリンの十全なバックアップもあって、何とか過酷な実験の日々に耐えていけたのであった。

 そんな日々が一週間ほど続き、これでアスムリンネバダ支部に到着してから一か月以上が経過した訳である。

 最初の基礎実験での二週間、サリンを喰らってから休養に充てた一週間、復活してからの一週間、唐突に能力や魔力が使えるようになってからの一週間。

 もう、五週間だ。日数にして35日間だ。6月の頭にこの研究所について、そして今は7月の頭である。あっという間だった。

 ──あと少しで、レナやアリサと一緒に居た期間を追い越してしまう期間である。

 最初に感じていた焦りは、少しだけ無くなった。それは、彼女達と会えていなかった期間で、俺は成果を手に入れたからだ。

 一緒に戦うための、スタートラインに立つためのチケット。

 だが、今までの実験の経緯を聞いたらどう思うんだろうか。ウロボロス実験については、酷く悲しみ、怒るのだろうか。

 あれだけフォルスヒューマンでは無いと言ってくれたのに、結局今はもう自分がフィーラなのかどうかすらわからなくなってしまっている。

 ──もう何十回は読み直しただろう、ジークフリートの物語。

 彼は、邪悪なドラゴンの血をその身に浴びることで不死性を獲得したとされている。

 俺の場合は、卒業訓練で戦ったあのイレギュラー個体だろうか。あいつが死ぬ間際に、大量の血を浴びながら俺は意識を失った。魔力耐性は幼少期からあったが、魔力を体内に獲得したのはそれが原因だったのかもしれないと今にして思い返す。

 マカブルに関しても、自分の血を媒介にする必要があるというお粗末な出来だ。これでは、あのリッタにも面白く笑われてしまうのかもな。「まだまだですわね」なんて声が聞こえてきそうで懐かしく感じる。

 だが、アリサの声は聞こえてきそうにない。レナも同様。

 二人の能力の片鱗はいまだ見えてこない。

 核攻撃すら防ぎきる『特殊魔導装甲フォートレス』。

 そして、デューズ博士から言われたレナの能力である『魔力粒子操作能力キングス・オーダー』。

 まさに、王の命令と言われるだけではある能力だろう。

 加粒子砲アルテルフ疑似単分子刃魔導剣レグルス自律飛行魔導物体シェルタン高温振動熱波ラサラス……どれもこれも超一級品の代物だ。原理からして魔力粒子を微細に操るというもので、俺には真似できそうにもない。

 アリサのフォートレスも、難しいだろう。あの強靭な防御壁を完成させるには習練が必要だ。研究レポートを見て初めてわかったのだが、どうやらフォートレスは糸状の魔導防壁をより合わせて防壁にしているメカニズムらしい。そのため、普通の硬い防壁よりも、クッション性が増して無敵の防御力になるのだとか。

 医療(医薬品)ないし化学の知識を多少なりとも持っていて、それをファーストステップには出来たマカブルはまだ易しかったのだ。

 残る二つの能力の再現を成功させよという圧力が日に日に増してきている。

 それはまるで、何かのカウントダウンが迫っているかのようだった。

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