34 性職部



スカウト…?

私とユニコを…?

ていうかこのヒト処女なんだ…。


「わぁっ! すごいですトクトリスさん! ノーマさんからスカウトされるなんて!」


ラミィが自分の事のように嬉しそうにしている。

目標にしていたシスターになれる…。

しかし、そう簡単に受け入れて良いものか…?


「ちょっ…、ちょっと待ってください! えーと、ノーマさん…でしたっけ? どうして私とユニコをスカウトしたいんですか?」


「ラミィから聞いたんだ。君達はとてもエッチな子達だとね」


どういう事?

エッチだからスカウトされたって事?

訳が分からない。

て言うかラミィはこのヒトに何を話したんだ?


「あの…確かに私とユニコは、普通の子よりちょっとだけエッチかもしれませんが…それがどうしてスカウトに繋がるんですか?」


「うむ。トクトリス君は女神教の戒律を知っているかね?」


女神教の戒律?

確か、童貞真面目ノーム君が言っていた…。


「貞操を守る…?」


「そう! 私達女神教徒は貞操を守る事、と戒律に示されている! まあ、今は形骸化しているが…、それでも守り続けている律儀な教徒も大勢いるんだ!」


「はあ…」


「私はね、そんな律儀な教徒の心身を癒す為に、新たな部署を設立しようと考えている…。その名も性職部!」


「せ…性職部?」


「貞操を守るが故に異性と交われない憐れな教徒達の性欲を発散させる尊い部署だ! トクトリス君とユニコ君! ぜひ、君達に参加してもらいたい!」


私とユニコで女神教徒の性欲を発散させる?


「で、でも私…処女でいたいから男性の教徒の性欲を発散させるのは…ちょっと…」


「大丈夫! トクトリスとユニコには女性教徒の性処理を担当してもらう!」


「具体的には…どうやって…?」


「君達が以前ラミィにしてくれたようにだ! 両側から挟んで弄くり回してくれたまえ!」


「はわわっ…」


ラミィは真っ赤になった顔を手で隠した。


「ラミィの話しを聞いてピンと来たよ! 君達こそ私が求める人材! さあ、その力を私に見せてくれ!」


そう言ってノーマは服を脱ぎだした。

中年特有のだらしない肉体が露わになった。


「ひゃあ!? ノーマさん!? 何脱いでるんですかっ!?」


と、ラミィが指の間から覗き込んで叫んだ。


「何って、テストだよラミィ。彼女達の力を実際に体験するんだ。将来、女神教徒達に施す予定の快楽をね! さあトクトリス君、ユニコ君! 女神教のシスターになりたければ、その力を私に示すんだ!」


そう言ってノーマはベッドに寝転んだ。


「ふゆぅ…。どうするのトクトリス?」


「シスターになるまたと無いチャンスだわ。やりましょうユニコ」


「えー…。ユニコ、だるだるのオバさんにさわるの、気が進まない…」


「そんな事言わないの。したくない事でも頑張ってするのが仕事よ」


「ふふっ。失礼な物言いじゃないか二人とも! 覚悟が決まったなら、私のだるだるな肉体を気持ち良くさせてみせろ!」


私とユニコはベッドに上がり、ノーマの両サイドに陣取った。


「うふふっ♡ ご指名いただきありがとうございます、ノーマさん♡」

「ユニコたちに弄られにくるなんて…、ノーマは変態なんだね…」

「私たちとシちゃったら…、もう普通のオナニーじゃ…満足できない体になっちゃいますよ…?♡」

「教徒の為とか言ってたけど…、ホントは自分がキモチくなりたいだけなんじゃないの…?」


「うはっ…! すっご…これ!」


ノーマはビクンビクンしている。

私とユニコは120分コースでノーマを責めたてた。

ラミィに見せつけながら。



「はぁ…♡ はぁ…♡ やばっ…、腰、立たない…♡」


「うふふっ。ご満足いただけましたか、ノーマさん?」

「ふゆぅ…。ノーマ、イキスギ。大人の威厳ぜんぜんない…」


ノーマはラミィに着衣を手伝ってもらい、よろよろとベッドに腰掛けた。


「想像以上の素晴らしい性技…! 合格だ! 二人とも、明日から私と一緒に王都に来てくれ! 女神教の総本部がある王都『パワースマイル』に!」


「え、明日?」


「そう! 明日、王都に立つ! 明日までに出立の準備をしておいてくれ!」


ラミィは寂しそうな顔をして言った。


「お別れですね…、トクトリスさん…、ユニコさん…。お二人とも、どうかお元気で…」


「何を言ってるんだラミィ。君も一緒に来るんだ」


「ええっ!? で、でも、私には用務員のお仕事が…」


「学園がこんな状態じゃ再開は無理だ。学園長もいないしね。食い扶持を稼ぐには転職するしかない。ラミィも性職部の一員としてシスター登録するから一緒に来い!」


「うふふっ、おめでとうございますラミィさん。王都でも仲良くしてくださいね?」

「ゆふふっ。よかったねラミィ。シスターになりたがってたもんね」 


「は、はう〜…。私がなりたかったシスターは、病気や怪我を治すシスターで…、エッチな事をするシスターじゃありませ〜ん!」


「我が儘を言うなラミィ! 職業に貴賎はないぞ!」


半ば強引にラミィを言いくるめて、私たちは王都へ立つ準備を始めた。

私とユニコとラミィはキャッキャしながら買い出しに出かけた。


ノーマを宿屋に残して…。



「…トクトリス君、君は憲兵にバラしてしまったね。聖獣教会の事、そしてユニコーンの事を…。これから世の中は、優秀な処女の取り合いになる…。聖獣教会を退けたその力、他の宗教に渡す訳にはいかない…。時が来るまで、女神教で囲い込む…。そしていずれ、ユニコーンの力で女神教の教祖『インモラリア』を討ち滅ぼす…!」



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