23 ASMR



初授業を終えて、分かった事がある。

私は興味のある事以外、物覚えが悪い。


ゲームのルールやエッチな事なら一発で覚えられたのに、宗教の成り立ちやら、歴代教皇の年表やらがまるで頭に入らない。

しかし、私は地頭が良い(自画自賛)。

宗教の成り立ちを受精に置き換えてイメージしたり、年表はエッチな語呂合わせで覚えたりして、なんとか乗り越えた。


そんなこんなの妄想を勉学に結びつけて悶々としていると、アカナベ・メロンに呼び出された。

また垢を舐めさせてくれとか言われるのかな?




「あのさー、トクトリスちゃん。昨日、大浴場に大量のタンパク質が落ちてたんだけど、心当たりない?」


心当たりしかない。


「…昨日は第一回シャセイ大会が開催されていたわ。それの残りじゃないかしら?」


「はぁ…、困るんだよねー…。高濃度の良質なタンパク質なんて舐めたら、栄養過剰で倒れちゃうんだよ…。そのシャセイ大会ってのも、どうせトクトリスちゃんが促したんでしょ?」


「私がそんな大会促すような女に見える? まあ、促したけど」


「次やる時は、ちゃんと流してね? 私は水垢を舐めたいんであって、男汁を舐めたい訳じゃないから」


「分かったわ。第二回大会の時はちゃんと排水口まで流すようルールに明記しておくわね」


いつもよりピリピリしたメロンで少し怖かった。

でも、もしメロンと敵対した時は、男汁を食わせれば倒せるということか…。

まあ、普通の食べ物でいいのかもしれないけど…。




◇ ◇ ◇




今日は色んな授業を受けた。回復魔法学に薬草学、魔石の授業まで。

放課後は第二回シャセイ大会を開催した。

せっかくお立ち台を用意して発射高の均一化を図ったのに、初参加のイケメエルが、羽ばたいて上空から発射するという暴挙に出たので失格にした。

最後はみんなでタンパク質を流した。


夜は用務員室でラミィと過ごした。

ラミィは「最近、大浴場がピカピカのツルツルなんです。何か心当たりはありませんか?」と聞いてきた。

心当たりしかない。


そして、寝る前の事。

私は、ユニコがいつも身につけているお気に入りのバッグが、膨らんでいるのに気が付いた。


「ユニコ、そのバッグ何が入ってるの?」


「ゆ!? な…なんでもないよ…」


明らかに怪しい。


「めっ! 見せなさい」


ユニコが渋々バッグを開けると、中から魔石が転がって出てきた。

授業で使ったやつだ。

私が授業を受けている間、暇なユニコは学園内を探索している。

その時、魔石を盗んだらしい。


「…むゆぅ、盗んだんじゃないよ。借りただけだもん。この石はホカホカしてて、こっちのはヒンヤリしてて、これはビリビリするの」


炎・氷・雷の魔石だ。


「ダメよユニコ。明日ちゃんと返してきなさい」


「ゆ~…。わかった…」


ユニコと一緒に授業を受けたいが、教室にはそれなりの数の処女がいる。

いっその事、男子をそそのかして処女を奪わせようか…。

なんて考えが一瞬よぎったが、すぐに改めた。

初体験はもっと素敵であるべきだから。



魔石…。

魔力を宿した石。

炎の魔力を宿せば、魔法が使えない者でも炎を起こせる。

学園の照明としても、光の魔石が使われている。


この時は、まさかユニコが盗んだ魔石が、私たちの運命を決定付ける事になるとは夢にも思っていなかった。




「ユニコさんは魔石がお好きなんですねぇ。今度、魔石商で魔石を買ってきましょうか」


「うゆ~! ラミィ、いいの~?」


「はい! 私も食材保存用の氷の魔石を補充しようと思ってましたから! だからユニコさん、明日、ちゃんと魔石を返してくるのですよ?」


「うん、わかったー」


「すみませんラミィさん。ユニコの為に…」


「いいんですよ! 私は嬉しいんです。トクトリスさんとユニコさんがこの学園に来てくれて…、シスターを目指してくれている事が…!」


ラミィは良いヒトだ。

私とユニコにこんなに良くしてくれて。

そんなラミィに、どうしてもお礼がしたい。

ラミィに気持ち良くなってもらいたい。

そうサキュバスの本能が訴えかけた。



ラミィが深夜の礼拝に行った後、作戦を開始した。

ユニコが盗んだ氷の魔石で、部屋の温度を下げた。


しばらくして、ラミィが帰ってきた。


「…あれ? …うう、寒い…」


下半身が蛇のラミィは、寒さに弱い。

いつものようにソファーで眠るには、この部屋は寒すぎる。

私はラミィを布団に誘う。


「…ラミィさん、なんだか今日は寒いですね。一緒にお布団で眠りませんか?」


「トクトリスさん、起きてたんですか?」


「ユニコもおきてるー」


「さあ、ラミィさん…。あったかいお布団の中へ…」


ラミィは誘惑に負けて、震えながら布団に入った。


「…わぁ、あったかいです…」


ラミィを真ん中にして、私とユニコで左右を挟み、川の字になって横になる。

私は、仰向けになっているラミィの左耳に、吐息混じりで話しかけた。


「ラミィさん…、やっと一緒に寝れますね…♡ 今夜は私たちに身を委ねて…、ゆっくりくつろいでください…♡」


「はわわ…!? ト、トクトリスさん!? どういう事ですかっ!?」


今度はユニコが、ラミィの右耳から囁いた。


「大声だすと…、みんなの迷惑になっちゃうよ…? ラミィは大人だから…、声…がまんできるよね…?」


そう言って、ユニコは右耳に息を吹きかけた。


「ひゃっ…!?」


ラミィは胸の上で指を絡ませ、祈りのポーズを取った。

私は片手をラミィの頭に回し、足でラミィの下半身を挟んだ。

ユニコはラミィに体を擦りつけた。

私はもう片方の手で、ラミィの熟しかけた胸をまさぐる。


「んっ……、あんっ……♡」


官能的な声を漏らすラミィ。

私とユニコは両サイドからラミィに囁く。


「うふふ…。ラミィさん…、エッチな声…でちゃってますよ…?♡」

「ラミィ…、トクトリスにいじられて…、感じてるの…?」

「我慢しないで…いっぱい気持ち良くなってくださいね…♡」

「大人のくせに…、子供にいじられて…感じちゃってるんだ…」


「あっ…、あっ……、やめっ…♡」


私は手を下の方へと伸ばしていく。

それと入れ替わりで、ユニコはラミィの胸に手を伸ばす。


「あら…、ラミィさん…♡ こんなにおつゆが溢れてますよ…?♡」

「ラミィのここ…、ピンってなってる…」

「大丈夫です…♡ 私に任せて…、安心して…気持ち良くなっちゃいましょう…♡ ほら…いつでも…、イッて…いいですよ…?♡」

「こんなにカタくして…、恥ずかしくないの…? ラミィはこんなので…情けなく…イッちゃうの…?」


「はあっ…、はぁっ…。はっ…、あっ…!♡」


今日のユニコは、やけにラミィに対してイジワルな事を言う。

きっと私が、ユニコ以外の女を気持ち良くしてるから、嫉妬してるんだろう。

その分、私がラミィを肯定してあげないと。

結果として、私にヨシヨシされ、ユニコにイジワルされて、ラミィの脳はグチャグチャになっていた。


「ほら…イッて♡ イッて…♡ あっ…すごっ♡ あっ…♡ あっ…♡」

「ダメ…ガマンして…。ラミィ…イッちゃダメ。 あっ…ダメだって…」


「はぁっ…あっ! …んっっっ…………~~~~~~~~♡♡♡」



こうして、三人の甘美な夜は更けていった。



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