18 食レポ
最初に襲われたのはユニコだった。
メロンは舌を異常なほど長く伸ばして、ユニコを絡め取った。
「ゆわ〜〜〜〜!」
ユニコは暴れたが、舌は腕や太ももに巻きついて自由を奪い、腋やオッパイ、股の間を這いずり回った。
触手モノみたいだな、と思った。
「こ、これは…! もちもちとした舌触りの皮膚から分泌した汗と活発な少女特有のスッキリとした脂質から生成された上質な垢が舌の上で蕩け甘い香りとどこか神聖さを感じる爽やかな風味が絶妙にマッチし極上の味わいを醸し出している! あーし史上五本の指に入る満足度の高い垢として評価せざるを得ない…、89点!!!」
メロンは早口で気持ち悪い食レポをした挙げ句、点数まで付けた。
ユニコの垢は高評価のようだ。
「ゆ……、ふ……、う……」
やっと舌から解放されたユニコは放心していた。
床に転がって痙攣している。
舐められた箇所がツルツルのピカピカになっていた。
メロンは舌を垂らしながら、今度は私に近付いてきた。
「えへへ…。次は、トクトリスちゃんの番だね…」
「わ、私は抵抗しないから、…その、やさしくシてくれると助かるわ…」
私は座って開脚し、上体を後ろに反らせた。
股と胸を強調するポーズだ。
「おっけー、トクトリスちゃん…。じっとしててね…」
メロンは舌舐めずりして舌を伸ばす。
「あっ、ナカには入れないで…。私、処女でいたいから…、膜を破らないでね…」
女の舌が膜を破った所で処女を喪失した事になるのか疑問だが、一応警戒しておく。
「そんなことしないよー…。さて…」
舌がゆっくり伸びてきて、まず足の指先に触れた。
指の間を通過して、足裏、足首、ふくらはぎ、膝の裏、太ももと伸びていく。
くすぐったくて声が漏れた。
そして遂に、私の股の間に到達した。
「ああんっ…♡ ちょっと…、まっ…てぇ…♡」
悔しいコトに、少し感じてしまった。
舌はそのままお尻を通過し、脇腹、ヘソ、下乳へと登って来る。
そして下乳から乳の先端へ。
「んっ…!♡」
私はユニコという心に決めたヒトがいるというのに…。
メロンの舌技が上手くて快感を得てしまう。
舌は乳の谷間を通り、更に登っていった。
腋、首、頬、そして耳へと。
凄い辱めを受けている。
普通の女性ならこの精神的苦痛に耐えられないだろうが、やっぱり私はサキュバス。
この状況を快楽へと昇華していた。
「……うーん、この味は…」
一通り舐め終えたメロンは、私を舌から開放した。
舐められた箇所がツルツルのピカピカになっていた。
ヒトの肌がこんなにツルツルのピカピカになるなんて、まるで摩擦係数と光の反射率を書き換えたかのようにツルツルのピカピカだ。
メロンは少し言葉に迷いながら言った。
「美味しい…、美味しいんだけど、少し雑味があるかな? トクトリスちゃんってインドア派でしょ? 汗をかき慣れてないせいか成分は角質が大部分を占め角質自体はマイルドでコクがあっていいんだけど皮脂との調和があまり取れてない。清潔にしてて垢の量も少ないから外部的要因のホコリや汚れの味が目立ちそれが雑味の原因になってるみたい。総じて悪くないけど手放しで褒められる程の垢じゃないし今後の期待を込めて…、69点ってとこかな!」
最低な食レポをされた挙げ句、微妙な点数を付けられた。
確かに私は外で遊ぶより、部屋でカードゲームやボードゲームをするか、エッチな本を読んでるほうが好きだった。
「ゆふふ…。ユニコは89点だよ? メロンはユニコのほうがおいしいって」
いつの間にか復活したユニコが、勝ち誇った表情を浮かべた。
正直、悔しかった。
今後はもっと運動をして汗を流そう。
「それで、トクトリスちゃん達は何で深夜のお風呂場に来たの? 夜間の入浴は禁止されてるはずでしょ?」
急にマトモな事を言い出したメロンに、エル美に部屋を追い出されたと伝えた。
「そっか、部屋を探しててこんな時間になっちゃったんだね」
「うゆぅ、メロンの部屋に泊めてよー」
「ごめんユニコちゃん、あーしは寮に部屋取ってないんだよー」
「じゃあアナタはどこで寝るつもりなのよ」
「え? ここだけど?」
なんとこの女は風呂場の主になる気のようだ。
「二人もあーしとここで寝る?」
「ねるー」
「ダメよユニコ。こんな所で寝たら風邪を引いてしまうわ」
私たちはメロンと別れ、大浴場を後にした。
◇ ◇ ◇
「うゆー…。トクトリスー…、ユニコ、ねむくなっちゃった…」
目を擦りながらとぼとぼ歩くユニコの手を引いて、学園内を歩き回る。
どこかに寝るのに丁度良い場所はないものか…。
この際、教室で寝てしまおうか…。
ふと、礼拝堂の前を通りかかった。
聖職学園だけあって、礼拝堂の数が多い。
ここはその内の一つだろう。
私も疲れていて限界が近かったので、今夜はこの礼拝堂で寝かせてもらおう。
ギィ…
静かに扉を開けた。
鍵は掛かってなかった。
おや?
聖壇の前に誰かいる。
祈りを捧げているようだ。
月明りに照らされて、神秘的にも、神々しくも見える。
祈っていたのは20代後半のラミアだった。
ここの教員だろうか?
こんな深夜に信心深いものだ。
「うゆ〜…」
ユニコが寝ぼけてフラフラとラミアに近付く。
「…あ、ユニコ…!」
止めるのが遅かった。
ユニコはそのままラミアにぶつかった。
「きゃっ!?」
ラミアは驚いて声を上げた。
ユニコはぶつかった拍子に転びそうになる。
しかし、ラミアはユニコを認識すると、咄嗟に支えた。
「…すみません! ユニコがご迷惑をかけてしまいまして…!」
謝罪を述べつつ駆け寄ると、ラミアは真っ直ぐな瞳で私を見た。
「いえいえ、大丈夫です…! 私の方こそ、こんな時間に礼拝堂を使ってしまってごめんなさい…!」
やけに腰の低いラミアだ。
教員ではないのか?
「あ…貴女は編入生のトクトリスさん…ですか?」
「私を知ってるんですか?」
「はい、教員の方に教えて頂いたんです。今日、編入生のサキュバスさんが来るって…。あっ…! 申し遅れました! 私、用務員のラミィと申します…!」
ラミィはペコリと頭を下げた。
「始めましてラミィさん。サキュバスのトクトリスです。そっちはユニコです」
「ユニコさん…? そんな生徒さんいたかしら…?」
「い、いました! 学園にきて初めてできた友達なんです!」
ユニコの素性に疑念を持たれそうになったので、急いで誤魔化した。
ユニコはラミィのおっぱいの間で寝息を立てている。
ラミィはそんなユニコを優しく撫でた。
間違いない。
ラミィは処女だ。
「良かったです…! トクトリスさんにお友達ができて…! もしかしたら、この学園に馴染めないかも…、なんて思っちゃってましたから」
「それは…私がサキュバスだからですか?」
「聖職者を志すのは人間さん、エルフさん、ノームさんが殆どですから…。他の種族とは少し壁があるんです…」
「壁…。やっぱりそうなんですね…」
「…? 何かあったのですか…?」
私は寮を追い出された事を伝えた。
「そうだったのですか…。行く当てがない、と…」
「そうなんです…。ラミィさん、どこか夜を越せる場所をご存知ありませんか?」
ラミィは少し考えてから提案した。
「…もし、宜しければ…、私の用務員室にいらっしゃいませんか? ちゃんとお布団もご用意しますよ…!」
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