11 輪姦鑑賞のトクトリス



「その女、ゴブ夫君たちで輪姦まわしてほしいのよ」


そう言うと、ゴブ夫は舌舐めずりをして呼び掛けた。


「だとよォ、テメェ等ァ!!!」



「へっへっへっ…」

「オレ達もイイんですかい? 店長ぉ~」

「ウヒョー! こりゃベッピンさんだねぇ!」


私の後ろか、らわらわらと手下どもが現れた。


「クッ…、このッ…!! どうして、下等種のゴブリン一匹……振りほどけないのォ…!!!」


アマンダはへたり込み、地に伏した。



「どうしてか教えてあげましょうか、シスター・アマンダ」


私はアマンダに近付いて、彼女の頬に手を添えた。


「それは、アナタが弱いからよ。アナタが思っているよりずっとね」


「な…何を言っているのですか!?? わたくしは…聖獣教会・密葬部の…アマンダ!!! 今まで、何人ものターゲットを…闇に葬ってきた…!!」


「それよ、シスター・アマンダ」


私は諭すように語った。


「聖獣教会・密葬部…。密葬という事は、暗殺が生業なのでしょう? 推察するにターゲットは権力者の男性、もしくはマダム。処女はいなかったんじゃないかしら? ようするにアナタが今までやってきた殺しは、正々堂々の殺しじゃなくて、ターゲットに認識不可・防御不可の武器で安全圏から斬り掛かっていただけ。子供でも出来るわね」


「違う!! わたくしは強い!! 現にあのオーガだって、わたくしが面と向かって殺したッ!!」


「私もそれで勘違いしたわ。でも、あのオーガの護衛さんは言っていた。物理・魔法の完全耐性を持っていたって。だから彼は、生まれた時から今まで一度も、が無かった。避ける必要が無かったから。もし、彼がどちらか一つでも耐性を持っていなかったら、きっとアナタの攻撃なんて簡単に避けれていたと思うわ。その証拠に、アナタの攻撃、戦闘初心者の私に何度も、何度も何度も何度も、避けられていたでしょう?」


「うぐッ…。ううッ…」


「私も勘違いしていた。聖獣教会・密葬部という大層な肩書き。デュランダルという異様な長剣。護衛さんを一撃で屠って見せた衝撃。その全ての印象から、アナタの事を強者だと錯覚していた。アナタ自身もそう錯覚していたんでしょう? アナタは今まで子供でも出来る殺しと、無抵抗な市民の虐殺しかした事のない弱者。だったら攻略は簡単。アナタより強いヒトをぶつければいいだけ」


「この、薄汚いゴブリンが…わたくしより…強い、だとォ…?!」


「そうよ。アナタ、そのゴブリンの動きに反応できなかったじゃない」




~~~~~~~~~

~~~~~

~~


「待ちやがれトクトリス!! また何かしたなッ!? もう我慢ならねェ!! テメェには痛い目にあってもらうぜェッ!!」


そう言って、ゴブ夫は私に向かってきた。

床を跳ね、壁を蹴り、まるでで。


~~


「裏カジノは…、俺の夢なんだ…。…、やっと手に入れた…、初めての店なんだ…。」


~~

~~~~~

~~~~~~~~~




「そのゴブリンはね、青春を捨てて裏世界で成り上がり、自分より年齢も体格も上の手下を従えて、歴戦のアサシンのような身のこなしをしているの。はたして、アナタに振りほどけるのかしらね」


「うううぅうぅッ……!! うううぅぅうううううぅッ……!!」


アマンダは何度も身をよじった。


「おっとォッ!! そんなに暴れちゃァ、るもんもれねェッ!! 関節を外させてもらうぜェェッ!!!」


ボキッ!!


「ギャアッ!!」


腕の関節が外され、アマンダはデュランダルを落とした。


私はすかさず拾い上げようとするが……。

重い…。

とても一人じゃ持てない。

当然か、10mの長剣なんだから。

やはりアマンダにしかこの剣は振るえない。



「トクトリスよォ…。今の会話…、コイツ相当悪どい奴なんだよなァ…?」


「そうよ。凶器が特殊で、憲兵も証拠を掴めないでしょうね。表の法で裁くのは難しいわ」


「げへへ…。なら、裏の流儀で落とし前つけるしかねェよなァ…?」


「そうしてちょうだい。ちなみにその女、処女よ。ゴブ夫君、大人の女にしてあげて。私、ここで見てるから」


「げへへへへへ!! モノ好きだなァ、トクトリスもよォ…!!!」


カチャカチャとゴブ夫はベルトを外す。


「ひ……なに……やめて……アナタたち…本気なの……?」


「あ、店長ズルいッス! 俺もりたいッス!」

「馬鹿、順番だろ! 次はオレだ!!」

「お…おいらは、ケツ穴が…いいんだな…!」

「上の口が空いてんじゃーん!」

「おい、噛まれるとマズイから、先に歯ァ抜いとけよ」


「げひひへへへはははァ!!! オイッ、テメェ等ァ!!! しっかり抑えてろよォ!! 俺様のゴブ夫ジュニアで、このハツモノ……ヒーヒー言わせてやるぜェェェェェェ───────────ッッ!!!!!」


「ヒイイィィィィィやあああああああああああ!!!!!!!!!」




ゴブ夫のジュニアが挿入された瞬間、デュランダルは光の粒子となって霧散した。

それは、もし私が処女を失えば、ユニコが消えてしまう事を意味していた。


………。


………。


………。


数時間が経過した。


みんなスッキリして満足気な表情だ。

私もスッキリして満足気な表情だっただろう。



「んでよォ、トクトリス。コイツはどうするんだ?」


「……あ……あが……」


穴という穴から白濁液を垂れ流し、白目を剥いて意識を失ったアマンダを見下ろしてゴブ夫が尋ねた。


「そうねぇ…。二度と私の目に入らないようにしてちょうだい。方法はゴブ夫君に任せるわ」


「そうかい…。げひひ、そう言やァ奴隷商のヤツが、変態鬼畜貴族に卸す奴隷の在庫が切れたっつってたっけなァ…! 一儲けできそうだぜェ!!」



この日以来、私はアマンダの姿を見ることはなかった。


こうして、私の激動の一日が終った。



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