第19話 エピローグ 2

 会社を辞め、有休消化を楽しんでいた私は毎日送られてくる求人を裁きながら、今までできなかったことを楽しんだ。朝は体を動かし、昼はたんまりと炭水化物を食い、夜は飲み歩いた。その傍ら書き物をしたり、面接の日程を調節したりと忙しい。

体調の変化もあったが緊張やストレスから解放された反動だろう。


 タイミングがあって同期の3人と私とで飲むことになった。私を含めた2人はすでに退職している。K-POP好きな九州人Mはすでに商社で働いていた。

「なんか、社長があたしのこと気に入ってくれたらしくて求人してないところで働かせようとしてんのよ。」

社内は大慌てらしい。

同期Iは一足先に千葉に転勤していた。彼も思うことはあるだろうが黙ってうなづいている。

同期Sは東京支店で業務に当たっている。もう1人の同期が年末に辞めてしんみりしているようだ。そして自分も次を探しているという。5月か6月までには探し出してやめるそうだ。

私の話す番になった。細かく言わずとも皆察しているようだ。

新橋の夜はまだ少し続きそうだった。少し遅れた青春がここにある気がした。


 ちなみにその数週間後、私はVtuberにどハマりする。それはまた別の話である。



                                    終

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る