第三十二草
夏休みになれば、自由になれる......というわけではない。
何しろ、学校から夏休みの宿題が出されるので、子供達はヒーヒー言いながら宿題をやるのが、夏休みの風物詩になりつつある。
それは、悠一くんとさくらちゃんも同じだったみたいで
悠一「あ〜。夏休みの宿題なんて出なきゃ良いのに〜」
さくら「分かる〜」
二人は、僕の家でヒーヒー言いながら、夏休みの宿題をやっていた。
悠一「夏休みの宿題なんて、無くなればいいのにな」
若葉「ハハハ、それは僕も思ったよ」
悠一「でしょ!!でしょ!!」
僕の言葉に対し、嬉しそうに答える悠一くん。
まぁ、夏休みの宿題は、子供にとっての苦行だからなぁ。
さくら「若葉さんは、自由研究とかはどうしてたんですか?」
若葉「僕?う〜ん..........スライムの作り方を調べてたかな?」
さくら「スライム.......」
興味津々な様子で、そう呟くさくらちゃん。
若葉「...........まさかとは思うけど、自由研究もやってなかったの?」
「「ギクッ!?」」
あ、図星なのね。
若葉「そういう面倒なことは、すぐにやった方が早いよ」
悠一「だ、だよね〜.......」
そう言った後、大きなため息を吐く悠一くん。
さくら「でも、自由研究って何をすれば...........あ!!」
何かを思いついたのか、さくらちゃんそう呟いた後
さくら「若葉さんの育ててる野菜についての自由研究はどうですか?」
悠一「そ、それだ!!」
さくらちゃんの閃きに対し、悠一くんはそう言うのだった。
悠一「でも、若葉お兄ちゃんの許可がないと.......」
若葉「あ、別に良いよ」
悠一「い、良いの!?」
若葉「だって、僕の育ててる野菜をテーマにするのなら、喜んで協力するよ」
僕がそう言うと、悠一くんとさくらちゃんは、嬉しそうな顔をした後
「「やったぁ!!」」
と、喜んでいた。
うんうん、子供の笑顔って、やっぱり良いよね。
悠一「よっし!!やるぞ〜!!」
若葉「頑張るのはいいけど、たまには休憩してね」
さくら「は〜い!!」
それにしても......夏休みの自由研究かぁ。
自由研究なだけに、何を調べれば良いのかが分からない時があるんだよね。
そこが自由研究の難しい所というか、何というか...........
でも、そんな子供達を見守れるのも、大人の特権だよな。
悠一「若葉お兄ちゃん?」
若葉「あ、いや、何でもない」
..........後で、オヤツでも持ってこようかな?
『次のニュースです。昨日、杜若町で山火事が発生しました。火は今朝6時頃に完全に消し止められましたが、警察によれば......』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます