〈閑話〉最弱の四天王

魔王軍には、四人の幹部..........いわゆる、四天王がいる。


一人は、火をも凍らせる氷を操る、氷のコキュートス。


一人は、ありとあらゆる植物を操る、花のディアナ。


一人は、全てを切り裂く風を操る、風のククルカン。


一人は、どんな物も燃やし尽くす炎を操る、炎のサラマンドラ。


彼らは、魔王の忠実な部下であり、一人一人が、国を滅ぼす程の力を有していた。


そして......


サラマンドラ「俺が..........追放?」


今現在、その四天王の一人である、火のサラマンドラは、魔王から追放処分を受けていた。


サラマンドラ「な、何故ですか!!何故、俺が追放されなければならないのですか!!」


自分が追放されるとは思わなかったのか、自身の主人である、ダエーワに対し、慌てた様子でそう尋ねるサラマンドラ。


そんなサラマンドラに対し......ダエーワは、淡々とこう言った。


ダエーワ「お前は弱い、だから追放する。それだけだ」

サラマンドラ「そ、そんな.......」


ダエーワの言葉一つ一つに、ショックを受けるサラマンドラ。


サラマンドラ「お、俺は!!ダエーワ様のためならば、どんなこともしてきました!!なのに......なのに...........何故!!」


ダエーワに対し、サラマンドラは必死になってそう言うが......ダエーワの態度は変わらず


ダエーワ「お前は四天王最弱。弱い奴は魔王軍には要らぬ」


と、サラマンドラに向けて、そう吐き捨てた。


しかし、ダエーワの決定に対し、他の四天王は不満を持っていたのか..........サラマンドラを擁護するように、こう言った。


コキュートス「............お言葉ですが、それはあくまで四天王最弱なだけで、魔王軍の中で最弱というわけではありません」

ククルカン「コキュートスの言うとおりぃ、サラマンドラは強い部類だと思いますぅ」

ディアナ「ですから、どうか考え直してください!!」


サラマンドラの強さと人望を知っているからか、ダエーワに抗議をする四天王。


しかし、それでもダエーワの考えは変わることなく...........


ダエーワ「くどい。これは決定事項だ」


と、四天王に向けて言い放つのだった。 


それを聞いたサラマンドラは、一気に頭に血が登ったのか...........ダエーワに向けて、襲いかかった。

だが.....ダエーワは、そのことを予め予想してたのか


ダエーワ「消えろ」


サラマンドラの足元に魔法陣を浮かび上がらせ、彼をどこかへ飛ばすのだった。


ディアナ「ダエーワ様!!サラマンドラに何を!!」

ダエーワ「我は..........サラマンドラを追放した。ただそれだけだ」


こうして、四天王の一人であるサラマンドラは、自身がいた世界とはまた別の世界...........魔法が存在せず、科学が発展した世界に飛ばされてしまったのだった。

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