八月

第二十七草

七月が終わり、八月が始まった。


暑さ的には、七月越えだけれども..........夏休みを迎えた子供達には、どうやら関係ないらしい。


何でそう思うのかって?


..........僕の家の庭で、悠一くんとさくらちゃんが、畑の草むしりの手伝いをしているからに決まってるだろ!!


若葉「にしても...........ここにも雑草が生えるのか」

悠一「雑草って、どこにでも生えるっていうしね」


ていうか、雑草を育ててる畑に雑草が生えるて........中々ない光景だよな。


さくら「このトラノオ豆って、本当に虎の尻尾に似てますよね!!何だか、ちびくろサンボを思い出しちゃいました!!」

若葉「あ、確かに」


そういや、ちびくろサンボでは、虎がバターになって、そのバターで、山のようにホットケーキを焼いたんだっけ?


..........童話ってすごいなぁ。


悠一「僕、トラノオ豆のホットケーキを食べたけど.....とっても美味しかったよ!!」

さくら「本当!?食べてみたいなぁ.......」


悠一くんの言葉を聞き、キラキラとした目で、僕を見つめるさくらちゃん。


oh..........瞳が綺麗すぎるぜ。


若葉「よし、それじゃあ.....二人が手伝ったくれたお礼に、ホットケーキでも焼こうかな?」

「「やったぁ!!」」


僕がそう言うと、分かりやすくピョンピョン跳ねる二人。


..........可愛いなぁ。


若葉「ただし、手を洗った人だけ食べられるからね」

「「は〜い!!」」


元気よく返事をすると、家の中に入り、順番に手を洗う二人。


うんうん、良い子だな。


妖精1「流石は勇者、ちゃんと手を洗うんだね〜」

妖精2「ね〜」


うわっ!?いつの間に!?


てか、今.....悠一くんのことを勇者って言った!?


若葉「ねぇ、ひょっとして..........君達は、悠一くんのことを何か知ってるのか!?」

妖精3「うん!!知ってるよ〜!!」

妖精4「でも、教えない〜!!」

妖精5「その方が楽しんだもん〜!!」


いや気まぐれ過ぎない!?


妖精6「僕らは気まぐれ。それが妖精なんだもんね〜」

妖精7「ね〜」

妖精8「気まぐれ気まぐれ〜」


..........どうやら、妖精達は悠一くんのことに関して、今は話す気はないらしい。


でも、何かを知っていることは確実なんだよな〜。


ん〜..........気になる!!


悠一「若葉お兄ちゃん?」

若葉「あ、な、何でもない!!」


僕は、その言葉の意味が引っかかりつつも、家の中に戻るのだった。


若葉「二人共、トッピングは何が良い?」

悠一「アイス!!」

さくら「ジャム!!」


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