第二十五草

フレイナ「では、次はゼリィ草の蜂蜜煮です!!」

若葉「は、ハチミツ煮!?」


何それ美味しそう!!


フレイナ「実のところ、ゼリィ草の実はあまり味がないんです。ですから、ハチミツで煮たりする他に、スープに入れたりすることが多いんです」

若葉「はぇ.....そうなんですね」


なるほど、つまりは春雨的なポジションか。


フレイナ「とりあえず..........まずは、ゼリィ草の中身を取り出します!!」


そう言った後、自前のナイフで、ゼリィ草の実の中身を出すフレイナさん。


ゼリィ草の実の果肉は、その名の通り、ゼリーのようにプルプルしていた。


若葉「...........これ、火を通して大丈夫なんですかね?」

フレイナ「安心してください。ゼリィの実は、火を通したら更にプルプルになるんです」

若葉「更にプルプルに!?」

フレイナ「はい!!」


フレイナさんはニッコリ笑うと、ハチミツと水、そして、ゼリィ草の実の果肉を鍋に入れ、火を付けるのだった。


フレイナ「ハチミツ煮のハチミツは、どんなハチミツでも構いません」

若葉「ふむふむ」


フレイナさんの言葉を聞きながら、メモを書く僕。


こういうのは、メモっといた方がいいからね。


そう思いながら、鍋を見ること数分後.................鍋は沸騰し、ゼリィ草の実は琥珀色に染まっていた。


若葉「この後、どうするんですか?」

フレイナ「そうですね.....自分好みプルプル加減になるまで煮ます。でも、今回は、これぐらいでいいいと思います」


そう言うと、フレイナさんは、皿の上にゼリィ草の実のハチミツ煮をよそうのだった。


フレイナ「これで、ゼリィ草の実のハチミツ煮の完成です!!」

若葉「お、美味しそう..........!!」


ゼリィ草の実のハチミツ煮を見つめながら、そう呟く僕。


若葉「い、いただきます!!」


そう言って、ゼリィ草の実のハチミツ煮を一口食べる僕。


...........結論から言おう。


ガチで美味い。


と言うか、めっちゃ美味い。


煮込んだことが原因なのか、プルプルな食感になったゼリィ草の果肉がたまらん!!


あと、ハチミツ煮だから、ハチミツの味がガツンと来ていいね!!


若葉「めっちゃ美味しいです.......」

フレイナ「ふふふ..........ありがとうございます」


僕の反応を見て、嬉しそうに微笑むフレイナさん。


フレイナ「あと、エルフバターをかけて食べると美味しいですよ」

若葉「確実に美味しくなるやつじゃないですか!!」


恐るべし、異世界の料理。


恐るべし、エルフの知恵。


若葉「あ、というかこれ..........町おこしに最適じゃないんですかね?」

フレイナ「ハッ!?た、確かに!!」






☆☆☆

〈トラノオ豆〉

森に生えている雑草

見た目は虎の尻尾に似ている

エルフ達はトラノオ豆を使って、乳製品の代替品を作っているとか

例えるなら、クリームチーズにような味がする


〈ゼリィ草〉

森に生えている雑草。

全体的には蔓のような見た目をした植物だが、実の見た目はマンゴスチンに似ている

硬い皮の中にある果肉は、透明な上にゼリーのようにプルプルしているが、加熱すると更にプルプルになる性質を持っている

例えるなら、わらび餅みたいな味がする

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