第二十四草
フレイナ「若葉さん、準備はいいですか?」
若葉「は、はい!!」
今日は、この前約束通り、レイナさんから、異世界の料理を教わる日。
なので、僕は内心ドキドキしていた。
フレイナ「ではまず、トラノオ豆から調理していきましょうか」
そう言うと、あらかじめ下処理をしておいたのか、水に漬けてあったトラノオ豆の中身があった。
肝心のトラノオ豆の豆は、綺麗なオレンジ色をしていて、見た目は..........大きなゼリービーンズみたいな感じだった。
..........これ、本当に雑草なのかな?
フレイナ「本当は、これを専用の道具で液状化させるのですが..........今回は、ミキサーを使います」
若葉「てことは、豆乳的なやつを作るんですか?」
フレイナ「いえ...........今回作るのは、エルフバターです」
若葉「エルフバター?」
聞き慣れない言葉に対し、首を傾げる僕。
フレイナ「私達エルフは、主に森の恵みとして、木の実や山菜、キノコの採取や、獣狩りをして、暮らしていました。なので、必然的に乳製品を食べることができないので...........」
若葉「その代用品として、トラノオ豆を使ってたってことですか?」
フレイナ「えぇ、そうです」
なるほど..........だから、エルフバターなのか。
何か、美味しそうだな。
フレイナ「では、行きます!!」
そう言うと、トラノオ豆を水ごとミキサーに入れた後、蓋をして、スイッチを押すフレイナさん。
ミキサーによって、トラノオ豆は、あっという間に液体化し、豆乳に変化し、フレイナさんは、その豆乳をペットボトルに入れた後
フレイナ「そして、ペットボトルに塩を入れて、よく振ります!!」
数分間、ペットボトルを振った。
すると、ペットボトルの中にある、豆乳は徐々に変化していき.................あっという間に、バターらしき物が完成したのだった。
フレイナ「これで、エルフバターの完成です!!」
若葉「す、凄い...........何となく、匂いがバターそっくりな気がします!!」
こんな物があるなんて...........異世界って、凄いのかもしれない。
フレイナ「試しに、一口食べてみます?」
そう言った後、エルフバターを少しだけティースプーンに乗せる、フレイナさん。
若葉「い、いただきます!!」
僕は、恐る恐るエルフバターを一口食べたところ
若葉「!?」
口の中に、バターのような風味が、一瞬で広がるような感覚に襲われた。
若葉「フレイナさん!!これ、とても美味しいです!!」
フレイナ「本当ですか!!良かった.......」
僕の反応を見て、ホッとするフレイナさん。
若葉「これだったら、ダイエットとかにも良さそうですね!!」
フレイナ「そうなんですよ!!ですから、あっちの世界の人間達からは、ダイエット食品として扱われているんです」
あ、やっぱりそうなのね。
そう思いながら、エルフバターをもう一回食べる僕なのだった。
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