第二十二草

妖精。


それは、おとぎ話に登場する、架空の存在..........のはずなんだけど


妖精1「うわぁぁぁぁぁ!?」

妖精2「出してぇぇぇぇぇ!!」


今現在、フレイナさんと一緒に、寺本さんのところに向かった、僕達の目の前には..........生きた妖精がこれでもかと入った、焼酎のペットボトルがあった。


..........どうしてこうなった!?


松五郎「どうだ?いっぱい獲れただろ?」


自慢げに、そう言う松五郎さん。


若葉「あの.....寺本さん、この生き物をどうするんですか?」

松五郎「どうするって.....蜂蜜漬けにするつもりだが?

「「「「「ヒッ!?」」」」」


..........もしかして、フレイナさんが慌てた理由って、これなのかな?


すず「松五郎さん、それは流石に可哀想よ」

フレイナ「そうです!!妖精達には、罪などありません!!」

松五郎「そ、そうか..........?」


すずさんとフレイナさんの言葉に対し、キョトンとする松五郎さん。


若葉「てか.....何でまた、妖精を捕まえたんですか?」

松五郎「え?この虫..........妖精なのか!?」


ん?


若葉「松五郎さん.....ひょっとして、妖精達のことを虫だと思ってたんですか!?」

松五郎「そうだが?」


嘘ぉ!?


どうりで、妖精達を捕まえるわけだよ!!


すず「松五郎さん..........とりあえず、妖精達を解放したほうがいいわよ」

松五郎「そうか.....なら仕方ないな」


そう言うと、焼酎のペットボトルの蓋を開ける寺本さん。


すると.....その瞬間、ペットボトルの中から、勢いよく妖精達が出てきた。


妖精1「助かった〜」

妖精3「死ぬかと思ったよ〜」

妖精2「ありがとう〜」


妖精達は口々にそう言った後、僕達の元にやって来ると


妖精4「この人、いい匂いがする〜」

妖精5「あ、本当だ!!緑の匂いがする!!」


緑の匂い..........あ!!雑草の匂いか!!


若葉「確かに、植物は育ててるけど.......」

妖精6「やっぱり!!いい匂いだと思った〜」

妖精7「ていうか、何でここにエルフがいるの〜?」

フレイナ「まぁ、色々ありまして」


ん?この反応....ひょっとして、フレイナさんと同じ世界出身なのかな?


だとしたら........何でまた、僕達の世界に来たんだろう?


若葉「あの...........妖精さん達は、どうしてここに来たんですか?」


妖精達に対して、勇気を持って、そう尋ねる僕。


すると...........妖精達は、こう答えた。


妖精1「分かんない〜」

妖精2「知らない〜」

妖精3「でも、この世界面白い〜」

妖精4「だから帰る気はないよ〜」


........どうやら、帰るつもりはないらしい。


妖精5「てか、帰る方法分かんない〜」

妖精6「だけど、気にしない〜」

妖精7「気にしないのが一番〜」

妖精8「ね〜」


何というか.......自由奔放だなぁ。


すず「何か、良い意味でイメージが崩れたわね」

フレイナ「逆に、こっちの世界の妖精のイメージが気になります!!」


そんなこんなで、この町に新しい仲間が増えるのだった。


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