第十九草

フレイナさんを含めた、エルフ達がこの町にやって来てから、しばらくが経った。


エルフ達は、すっかり木之下町での生活に馴染み、今では、町の人達と談笑するまでの仲になっていた。


あ、ちなみに..........エルフ達は、肉を食べることに抵抗感がないらしい。


何でも、森にあるものは、肉だろうが、植物だろうが、食べるスタンスらしい。


...........いい意味で、イメージが崩れたなぁ。


んで、今現在の僕はというと...........


若葉「これが僕の育てている雑草です」

フレイナ「まぁ.................」


フレイナさんに対して、庭で育てている雑草を見せていた。


何でこんなことになったのかって?それは僕にも分からない。


フレイナ「ケアル草にMPタンポポ、ネコッコログサに加えて、アールヴ花まであるなんて...........」

若葉「知ってるんですか!?」

フレイナ「えぇ、私の世界では、よく生えていましたから.....」


そう言うと、遠くを見つめるフレイナさん。


...........多分、今はもうない故郷に、想いを馳せているのかな?


若葉「ところで..........エルフの皆さんは、アールヴ花をどうやって食べているんですか?」

フレイナ「そうですね..........基本的には、皮ごと蒸して、その後に、アールヴ花の葉とホリィーヴァ油で軽く混ぜ合わせるんです」

若葉「ホリィーヴァ油?」


何それ?


フレイナ「ホリィーヴァという、木から取れる実を原材料した油です」

若葉「ホリィーヴァ...........」


オリーブ的なやつなのかな?


若葉「でも、何だか美味しそうですね」

フレイナ「いえいえ!!若葉さんのアールヴ花料理も美味しそうですよ!!」


興奮気味に、そう言うフレイナさん。


...........やっぱり、アレは正真正銘のだったのか。


フレイナ「それに...........故郷で食べていた物が見られるだけで、何だか、ホッとするんです」

若葉「フレイナさん.......」

フレイナ「ですから、これからもどうぞよろしくお願いします」


そう言った後、深々と頭を下げるフレイナさん。


若葉「もちろん!!そのつもりですよ!!」

フレイナ「あ、ありがとうございます!!」


くっ!!美少女エルフの笑顔も眩しいぜ!!


フレイナ「...........どうかしました?」

若葉「イエ、ナンデモナイデス」


エルフの笑顔はダイヤモンド並みに眩しい。


そのことを実感した今日この頃なのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る