第十八草

木之下町の近くにある山には、いわゆる、祠があるらしい。


だけど、その祠には不思議な伝説があるらしく...........何でも、別の世界と繋がっているのだとか。


ここに来た当初の僕は、ただの伝説だと思っていた。


..........少なくとも、その祠のある場所に、光の柱が出現し、エルフ達が現れるまでは。


フレイナ「初めまして、私はフレイナ。森人族エルフの巫女でございます」


街の集会所にて、そう自己紹介をするエルフの巫女...........もとい、フレイナさん。


おっふ、やっぱエルフはエロいわ〜。


って、思ってる場合じゃない!!


何でこの世界にエルフが!?


松五郎「え、えっと..........つまり、お前さん達は、別の世界から来たと」

フレイナ「はい。我ら森人族エルフの住まいし土地、ピクシオンはもう既に滅ぼされました。ですから、私達には帰る故郷がないのです」


おいおい、今物騒なワードが出てきたんだけどぉ!?


そう思っていたら、どこからかお腹がなる音がした。


若葉「...........もしかして、お腹が空いているんですか?」

フレイナ「えぇ..............実は、もうすぐ食糧が尽きそうなんです」


悲しそうに、そう呟くフレイナさん。


すると、それを見た寺本さんは、何かを思ったのか、こういった。


松五郎「.................よし!!とりあえず、この人達を歓迎しようじゃないか!!」

「「「「「えぇ!?」」」」


寺本さんの突然の発言に、驚く僕達。


松五郎「いいか、この人達はワシらに助けを求めている。だったら..........それに応えるのが人間ってもんだろう」

若葉「ハッ!!確かに!!」


こうして、僕らはそれぞれ料理を持って行き、エルフ達に振舞ったんだけど..........


森人族エルフ①「フレイナ様!!この料理に使われているのは、アールヴ花ですよ!?」

フレイナ「まぁ!?そうなのですか!?」

森人族エルフ②「この料理美味しい〜」


...........〈エルフの好物〉にアールヴ花が使われているからなのか、エルフ達は、〈エルフの好物〉を食べまくっていた。


松五郎「アッハッハ!!よかったな、若葉くん」

若葉「は、ハハハハ...........」


..........本当に、アールヴ草はエルフの好物なんだな。


若葉「でも、この人達が暮らす家とかどうするんですか?」

松五郎「そこは大丈夫だ。何せ、この町には空き家がたくさんあるし、犬塚さんのところのアパートもある」

若葉「あ、それもそうですね」


こうして、僕達の町に新たな仲間が加わり、木之下町は、ますます盛り上がるのだった。






☆☆☆

フレイナ

森人族エルフ達を導く巫女。

実年齢は300歳なのだが、森人族エルフの中ではまだまだ若い方らしい。

巫女という職業柄か、精霊の力を借りる精霊魔法が得意。

また、責任感が強く、ピクシオンから脱出した後は、彼らのリーダーとして取り纏めていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る