第十六草
今日は六月らしく、朝から雨が降っていた。
なので、家でダラダラしていたんだけど...........
悠一「若葉お兄ちゃん!!来たよ!!」
悠一くんが、可愛い女の子を連れてやってきた。
若葉「悠一くん..........彼女が出来たんだ」
悠一「違うよ!!」
僕の言葉に対し、そうツッコミを入れる悠一くん。
.....可愛いなぁ。
悠一「この子は、友達のさくらちゃんだよ!!」
必死に、彼女じゃないアピールをする悠一くん。
そして、当のさくらちゃんは、ペコりと頭を下げた後、こう言った。
さくら「初めまして、
うん、しっかりとした子だな。
若葉「初めまして、僕は緑井若葉。ここで話すのもあれだから、とりあえず上がろうか」
そうして、悠一くんとさくらちゃんを家に上げる僕。
それにしても、悠一くんが女の子を連れてくるとは...........ビックリしたなぁ
ちなみに、2人にはミルクとクッキーを出した。
若葉「ごめんね、こんな物しか出せなくて」
さくら「いえいえ!!ありがとうございます」
...........やっぱ、この子はしっかりしてるなぁ。
悠一「さくらちゃん、このクッキー美味しいね!!」
さくら「うん!!」
..........てぇてぇ。
若葉「そっか、それは良かった」
家に手作りクッキーがあって良かった。
そう思っていると、さくらちゃんがポツリとこう呟いた。
さくら「...........私のパパも、料理できたらいいのに」
..........ん?
若葉「さくらちゃん、それってどういう.......」
僕がそう言うと、悠一くんが耳元に近づくと、小さな声で色々と教えてくれた。
何でも、さくらちゃんの家は、いわゆる父子家庭らしいのだが...........料理はさくらちゃんのおばあちゃんが担当しているので、お父さんの料理を食べたことがないのだとか。
でも、当のさくらちゃん本人は、お父さんの作った料理が食べたいそうなのだが、お父さん自身が仕事で忙しいことや、料理をあんまり作ったことがないこともあって、今のところ、実現していないらしい。
若葉「そっか.....さくらちゃんは、お父さんのことが好きなんだね」
さくら「うん...........」
ちょっとだけ、重い空気になった時、何かを閃いたのか、悠一くんがこう言った。
悠一「だったらさ、若葉お兄ちゃんが、さくらちゃんのお父さんに、料理を教えればいいんじゃないの?」
すると、その言葉を聞いた、さくらちゃんの顔は明るくなり...........
さくら「その手がありました!!」
と、叫ぶのだった。
若葉「なるほど、それはいいかもしれないね」
こうして、さくらちゃんのお父さんに対する、料理教室を開くことが決まったのだった。
☆☆☆
芹沼さくら
木之下町に暮らす女の子。
いわゆる父子家庭で、父親と祖父母と共に暮らしている。
父親や祖父母の教育がいいのか、割としっかりとした性格。
悠一とは、友達として遊んでいる。
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