第十五草

衛さんは、いわゆるWEB関係の仕事をしている。


なので、僕達は衛さんの力を借りて、〈エルフの好物〉やネコッコロ茶、MPタンポポコーヒーをネット販売しようと考えたのだ。


衛「こんな感じでどうですか?」

「「おぉ〜」」


衛さんの作ったWEBサイトを見て、思わず興奮気味に、そう言う僕と寺本さん。


松五郎「流石はワシの孫娘の夫!!やるじゃないか!!」

衛「いえ、それほどでも.......」


肩をバンバンと叩く寺本さんに対し、照れる衛さん。


若葉「これで、〈エルフの好物〉が世界に広まりますね」

衛「ですね」

松五郎「しっかし、今時のネットってのはすごいなぁ、まさか、ボタンを押すだけで色んな物が買えるとは.......」


現代のネットに対し、感心する様子の寺元さん。


衛「今の時代はネットショッピングが強いですからね」

若葉「そうそう、ネットでお取り寄せが当たり前の時代になってきましたよね」


ネット販売は便利な反面、色々と厄介なところもあるしね。


松五郎「ワシらジジイには、こういうことが出来ないからなぁ」

若葉「何言ってるんですか!!むしろ、寺本さんの年齢で、スマホのことをマスターしている人もいますからね!!」


僕がそう言うと、寺本さんはしばらく考えた後


松五郎「そうか..........なら、ワシもひ孫のために勉強してもいいかもしれないな」


と言ったのだった。


やっぱり、寺本さんは悠一くんのことが大好きなんだと、改めて、僕は思った。


衛「でも、本当にケアル草を売らなくていいんですか?」

若葉「うん、ケアル草が僕の食べるように作っていますから、売る予定はないです」


それに..........売ったら、確実に面倒なことになる雑草があるしね。


松五郎「まぁ、若葉くんがそう言うのなら、仕方ないわな」

衛「..........確かにそうですね」


僕の言葉に、納得してくれた2人。


若葉「あ、そうだ。昨日、MPタンポポの胡麻和えを作ったんですけど...........いります?」

松五郎「おぉ!!それはありがたい!!」

衛「僕もぜひ貰いたいですね」


それしても、ネット販売かぁ...........


これで町が活気付けばいいなぁ。


衛「それにしても.................僕達がこの町に来なかった間に、ずいぶん変わりましたね」

松五郎「そうか?」

衛「そうですよ!!だって、すずさんは若返っていますし、いつの間にか、町おこしが始まっていましたし...........」

若葉「あ、あはは.......」


すずさんが若返ったのは、僕が原因なんだけどね。


そう思いながら、ワイワイ盛り上がる僕達なのだった。

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