第一三草

三木さんの口から出た、衝撃的な言葉。


それは、この木之下町に暮らすということだった。


若葉「ち、ちなみに..........三木さんはどこに暮らしているんですか?

くるみ「T都です」


だ、大都会!!


田中「でも、何でまた三木ちゃん達がこっちに暮らすことにしたんだ?」

三木「実は...........」


三木さん曰く.................彼女の子供、悠一くんは、いわゆるイジメが原因で不登校になってしまい、旦那さんである衛さんと話し合った結果、木之下町でのびのび暮らすことにしたそうな。


...........何だか、僕みたいだな。


くるみ「そんなわけで、よろしくお願いします」


そう言うと、深々と頭を下げるくるみさんと衛さん。


一方の悠一くんは、ベンチに座って本を読んでいた。


若葉「僕が言える立場じゃないですけど...........大変だったんですね」

すず「このことを知った松五郎さんは、イジメっ子達の元に乗り込もうとしてたからねぇ」


て、寺本さんが!?


若葉「そんなことが.......」

くるみ「えぇ............ですから、あの子ものびのびと暮らせると思っているんです」

衛「それに、私達も都会暮らしで疲れていまして...........」


確かに、田舎ってのんびりしてるから、そういうケアにはちょうどいいよね。


くるみ「ところで..........この人、本当にすずさんなんですか?」


僕と田中さんに向けて、すずさんの顔を見ながら、そう言うくるみさん。


...........うん、そう思うのは無理もないよね。


僕が原因ってことは、黙っておいた方がいいかもしれない。


すず「んもぅ!!どっからどう見ても、すずおばちゃんでしょ?」

衛「あ、あはは.......」


すずさんの言葉に対し、苦笑いをする衛さん。


悠一「...........お姉さんって、おばちゃんなの?」

すず「そうよ〜、すずおばちゃんはおばちゃんなのよ〜」


若返ってもなお、自分のことをババアって言ってるしね。


くるみ「......若返りって、本当にあるんですね」

若葉「ソ、ソウデスネー」


...........ミラクルコーンは、封印確定だな。


すず「そうそう!!どうせだったら、くるみちゃんも〈エルフの好物〉を食べてみない?」

くるみ「い、いいんですか!?」

若葉「もちろん!!松五郎さんのお孫さんなら、大歓迎です!!」

田中「何だったら、衛さんや悠一くんも食べてみるか?」


そう言うと、目を輝かせる衛さんと悠一くん。


何はともあれ、町に新しい仲間が増えるのは嬉しいな。


そう思いながら、僕は〈エルフの好物〉をあるのだった。






☆☆☆

三木くるみ

松五郎の孫娘

衛とは夫婦で、一人息子の悠一を含めた、三人家族で、息子が不登校になったのを機に、木之下町に暮らすことを決意する。

その後、カフェ・ふくろうの店員として働いている。


三木衛

くるみの夫

元々はWEBデザイナーをやっており、息子が不登校になったことをきっかけに、妻共々、木之下町に移住した。

自然豊かな木之下町での暮らしを満喫している。


三木悠一

くるみと衛の息子

小学生で、学校でイジメられたことがきっかけで、不登校になってしまうものの..........その後、母親であるくるみと共に、木之下町に移住する。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る