第九草
若葉「は.....はぁぁぁぁぁ!?」
え?何?why?why?
ドユコト?
すず「実はね.......松五郎さんは、若葉くんの育てたハーブを使って、町おこしをしようと考えているのよ」
若葉「えぇ!?」
僕の育てた雑草で.......町おこし!?
若葉「いやいやいや!!これは僕が趣味で育ててるので、町おこしになるかどうかは.......」
松五郎「十分なるな」
すず「うんうん」
.................まぁ、確かに、今まで育てた雑草は美味しかった。
だけど.....
若葉「若者である僕が、町おこし委員会に入ってもいいんですかね?」
すず「何言ってるの!!こういう時こそ、若者の力が必要なの!!」
若者の...........力?
松五郎「あぁ、ワシらのような、ボケる寸前のジジババが考えるのにも、限界がある。だからこそ..........ワシは、若葉くんの力を借りたいと思ったのだ」
若葉「寺本さん.....」
.................あそこまで真剣になった、寺本さんの姿を、僕は見たことがない。
多分.............木之下町で生まれ育ったからこそ、町のために、色々頑張ってきたのかと思うと、僕は胸が熱くなり、ジーンとなった。
若葉「.......僕、この町に引っ越してきて、よかったと思ってるんです。だって............みなさんのような、優しい人達に出会えたんですから」
すず「若葉くん.......」
若葉「だから.......その話、喜んで受けさせてもらいます」
この町が好きなのは、僕も一緒だからね。
松五郎「あ、あ、あ..........ありがとう!!」
すず「若葉くんなら、そう言うと思ってたよ」
若葉「そ、そうですかね.....」
照れながら、そう言う僕。
若葉「あ、料理が冷めてしまってもあれなので、ドンドン食べてください」
松五郎「ガハハハハ!!そうだな!!」
すず「それじゃあ、ドンドン食べちゃおっと」
それにしても、僕が町おこしかぁ............人生って、何が起きるか本当に分からないもんだな。
あと、このポテサラ美味っ!!
マヨネーズ・ハム・アールヴ花の葉っぱを入れただけなのに、何でこんなに美味しくなるんだろ?
不思議だわ〜
若葉「.......これ、コロッケにしても良さそうですね」
すず「それ、私も思ったわ」
松五郎「ふむ............それじゃあ、あそこの田中さんと協力するのもあり.......か」
若葉「田中さん?」
誰?
松五郎「そうか、若葉くんは知らなかったな」
すず「田中さんはね、この辺りで肉屋をやってる人なの」
若葉「え!?そうなんですか!?」
肉屋!!
若葉「それじゃあ、コロッケ作りの頼もしい味方ですね!!」
すず「そう!!そうなのよ〜!!」
松五郎「よし!!次は委員会のメンバー用のコロッケ作りだな!!」
こうして、次の目標が決まり、和気藹々と食事をする僕達なのだった。
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