五月

第七草

五月。


それは、春と夏の狭間の季節。


春の暖かさが、徐々に夏の暑さへと変わっていき、今現在、僕はその暑さにやられている。


若葉「あぁ〜、暑いなぁ............」


最近の暑さってのは、何でこう厄介なのかな。


そう思いながら、麦茶を一口飲む僕。


若葉「あぁ〜、生き返る〜」


暑い日って、どういうわけか麦茶が美味しく感じるんだよね〜


とまぁ、こんな感じでダラダラしてたら.....


《個人名、緑井若葉のレベルが上がりました》


若葉「ファッ!?」


どういうわけか、頭の中に声が響いてきた。


若葉「え、何これ?ドユコト?」


突然のことに、驚く僕。


そして、試しにステータスを開いてみると.................


名前:ミドリイ・ワカバ

種族:人間

レベル:2

スキル:雑草栽培


レベルが、1から2に上がっていた。


まさかとは思うけど.................これってレベルアップ!?


若葉「僕、ただ雑草を育ててただけなんだけどなぁ.................」


何故、レベルアップしたのか。


そのことを疑問に思いながら、とりあえずスキルを発動してみると


・ケアル草

・MPタンポポ

・ネコッコログサ

・アールヴ花


新しい雑草が二種類増えていた。


若葉「............やっぱり、聞いたことも見たこともない雑草だな」


ともかく、〈図鑑〉で確認してみるか。


〈ネコッコログサ〉

どこにでも生えている雑草

見た目はエノコログサに似ている

脱穀・乾煎りすれば、食べることが可能

何とも言い難い、香ばしい味がする


エノコログサってことは.......ネコジャラシか!?


というか、これも食べられるのね..............


〈アールヴ花〉

森に生えている雑草

別名〈エルフ芋〉

花や葉っぱの部分がローズマリーに似ているのに対し、根の部分はジャガイモに似ている

食べれば、どんな毒も治し、回復させる

例えるなら、葉っぱの部分はローズマリー、芋の部分はジャガイモのような味がする


若葉「へぇ、面白い雑草だな」


葉っぱがローズマリー、根がジャガイモかぁ.................


若葉「絶対........いや、今確実に美味しいやつだろうな〜」


これもレベルアップのおかげだな。


若葉「さてさて、収穫するのにかかる時間は.......なるほど、ネコッコログサは1分、アールヴ花は1分30秒ぐらいかかるのか」


まぁ、ケアル草やMPタンポポとかよりも時間はかかるけど、早いのには変わらないな。


それに.................そろそろ、畑を増やしたいと思っていたところなんだったし、ちょうどいいか。


これも美味しい雑草料理を作るためだ!!


頑張るぞ!!僕!!






☆☆☆

ネコッコログサ

★☆☆☆


アールヴ花

★★☆☆


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