執筆談義Q&A「マンネリ化を防ぐ方法は?」「他人の作品を読む価値ってあるの?」「ストーリーを思い付く方法は?」「読まれない小説を書く意味ってある?」「小説とはどんなものなのか?」

Q「特定のジャンルだけを書くことで、生産速度を上げている者です。最初の数本は個性が溢れ出すものが書けたのですが、途中から毎回似たような作品を書いていると気がつきました。こういう場合、どうすればいいと思いますか?」


A

 質問内容を簡単にまとめると——。

 作品の量と質をどうすればいいのかだね。

 で、質問者さんは、同じジャンルを何度も書くことで生産性を上げているわけだ。

 ただ、同ジャンルを書くことで、マンネリ化を感じているっていうお話なんだよねー。


 私なりの解決法をまとめますと——。


 マンネリ化という考えを捨てることです。

 つまり——。

 世間一般的に「マンネリ化」と呼ばれる行為を、「作家性がある」「個性がある」「オリジナルティがある」と言い換えてしまえばいいと思います。


Q「他人の作品を読むことって意味があるんですか? 自分が世界で一番面白い作品を書いているのに、わざわざ人様の作品を読む必要性があるのかわかりません。教えてください」


A

 その自尊心を忘れずに生きてください。

 自分の作品が世界で一番面白い。

 そう自負する気持ちは絶対必要ですから。

 ただ、それと同時に他人へ寄り添う気持ちが大切なのです。

 私が思うに——。

 他人の小説を読む行為は、少しでも自分の作品に活かせる部分がないかと探すことだと思います。この作品の「ここがいい!」と思える部分を探し出し、その部分を自分の作品にも取り入れる。その繰り返しだと思う。


 他人の小説からアイデアをパクろうとする意識が大切です。パクるという言い方が嫌いな方は、参考にすると言い換えてもいい。

 とりあえず、他人の作品から技術やアイデアを盗んで、自分自身の成長に繋げよう!


Q「小説を書いている途中で、毎回ストーリーが思い付かなくなります。どうすればストーリーを思い付くことができますか?」


A

 ストーリーが思い付かないから、小説が書けないと思っていませんか?

 実はこれ間違いです。

 書きたい内容が見つかってないから、小説が書けないんだと思います。(ここ板書!)

 以前に話した内容と重複して申し訳ないですが、小説は①書きたい内容②書く方法の二つを知れば、誰でも文章を書けます。


 で、ストーリーが思い付かないと言っている人は、ただ書きたい内容が思い付いていないだけだと思います。


「ストーリーと書きたい内容はどう違う?」


 ストーリーは構成力の問題

 書きたい内容はアイデアの問題


 めちゃくちゃ簡単に説明すると——。


 書きたい内容=パズルのピース

 ストーリー=パズルのピースを繋ぎ合わせる作業


 というイメージだと考えてください。

 自分が書きたい内容=ピースがない状況では、ストーリーを繋ぎ合わせられません。


 つまるところ——。

 ストーリーとは、書きたい内容があって初めて、どんな順番で並べれば、読者の皆様が楽しんでくれるかと考える作業ってこと。


Q「自分をどんなタイプの作家だと思う?」


A

 理解してくれる奴だけ理解してくれればいい。自分だけの世界を持ち、感情の赴くままに書く芸術家タイプの作家だと思います。


Q「毎日小説を書いているんですか?」


A

 小説は毎日書いていません。

 ただ、毎日文章だけは書いてます。

 小説を書かない日は、エッセイを。

 エッセイを書かない日は小説を書いてる。


Q「実際に書いてみて文章力は上がった?」


A

 そんなに変わらないと思います。

 ただ、文章に対する抵抗は完全に消えたと思います。文章を書くのは嫌いではない。

 寧ろ、文章を書くことが大好きです。


Q「毎日の執筆量を記録していますか?」


A

 記録はしていません。

 ただ、自分が何文字書いたのかは、漠然と把握しています。

 一定量に達していない場合は、無理矢理でも文章を書いてから寝るようにしてます。


Q「読まれない小説を書く意味ってあるのでしょうか? 自分が面白いと思う小説を書いているのですが、全く読まれていません。こーいう場合でも、書く意味ってあると思う?」


A


 書く意味は自分自身で探すことだと思う。

 書く前に「自分は〇〇のために、この小説を書く」みたいな感じで決めて、実際に書いてみるといい。

 自分が読者集めのためだけに、小説を書いているのなら、さっさとやめるべき。

 ただ、何か意味があるのなら、それは続けるべきだと思う。


Q「現在の執筆速度や執筆時間を教えて」


A

 仕事がある日は1時間。

 仕事がない日は3時間。

 これを目標に書いてます。


 執筆速度の件ですが。

 40×34形式で10枚書くのに——。

 基本的に下書き1〜2時間。

 本稿に仕上げるまでに3〜4時間。

 合計5時間ぐらい掛けてますねー( ̄▽ ̄)


Q「つまり、新人賞向けの作品を1作書くのにどのくらい時間を掛けているんですか?」


A

 単純計算になりますが……。

 10枚=5時間、100枚で50時間。

 どんなにかかっても、100時間以内です。


Q「WEB小説を書いている者です。僕はプロットを練らずに好き勝手書く派です。そんな人間が公募やコンテストを狙うなら、どのような形でアプローチを取るべきですか?」


A

 プロットを作るか作らないか。

 これは作家の適性に関わる問題です。

 私の意見としては、執筆速度が早いほうを選ぶべきだと思います。

 私の場合ですと、プロットを作ったほうが執筆速度が早いですし、面白い作品を書くことができます。


Q「プロットを練らずに書いたら、ストーリーがゴチャゴチャになりそうじゃないですか? どうやって1つの作品に仕上げるの?」


A

 これは良い質問です。

 私の作風と言いますか、執筆方法は「書きたいシーン」だけを書きまくる手法です。

 で、書きたいシーンを無理矢理繋げて、一つの作品に仕上げています。

 んでんで。

 現在考えているWEB向けの連載方法は。


①WEB作品は書きたいシーンだけを書く

②書籍に仕上げなければならない、または公募やコンテストに出す際に、起承転結を付けた1つの作品に仕上げ直す


 この二段階構えで考えています。


Q「WEB小説に起承転結は必要じゃないというんですか? それは作家失格なのでは?」


A

 起承転結があったほうがいいのは事実。

 ただ、WEB小説というのは媒体の都合上、更新速度を求められます。

 で、個人的に思うのは——。

 WEB小説はキャラを売り出す場所だと考えています。なので、ストーリー性に力を入れるよりも、キャラに力を入れて書くべきだと思ってる。

 既存の公募に出すときと同じアプローチ方法を取ると、自分の首を絞めることになる。

 だからこそ、ネット内のコンテストなどに参戦する場合は、「読者からの評価を貰う」を第一に考えて、自分が得意な連作短編の形でお話を続けることにしています。


Q「地の文と会話文。どちらを伸ばすべき?」


A

 自分の適性がどこに向いているのか。

 それを詳しく調べてみるといいかも。


 小説は地の文と会話文しかない。

 で、私は会話文を爆速で書けるタイプ。

 つまり、会話文を伸ばす必要はない。

 現時点で爆速で生産できるのだから、これ以上増やす必要はどこにもありませんから。

 だから、現在は生成した会話文をもとに、如何に早く小説の形にできるか。

 それを軸に考えてますから、現在の私は地の文を中心に底上げをしていますね。


Q「会話文を大量に生成できるなら、その方向性で伸ばせばいいんじゃないの? わざわざ地の文を伸ばす必要はあるんですか?」


A

 もう一度言いますが。

 小説は地の文と会話文で構成されています。つまり、両輪揃わないとダメなのよ。


 あとね——。


 地の文を書けるようになると、生産速度が一気に向上します。だから、必死に伸ばしてる。地の文の練習を欠かさないことが大事!


◇◆◇◆◇◆


Q「小説とはどんなものだと思いますか?」


A

 2024年10月9日現在のお話ですが。

 自分にとって、小説とは現実逃避的な要素が強い気がします。

 嫌なことがあったときに逃げ出す場所。

 適切な言葉で表現すると、没入できる作品を求めている気がします。

 で、没入できる作品を書くためには、一定水準以上の文章力や表現力が必要だと思う。

 何度も何度も読み返すのが前提になるので、少し難しい表現や凝った言葉を入れてあげると、更にその旨味は大きくなると思う。


 同じ小説を何度も読み返す理由とは何か。

 その理由を模索していたわけだが、やっぱり私は「美しい表現や凝った言い回しを求めている」からというのが一番大きかったね。

 あと、世界観にのめり込みたいんだなと。


 辛いことや苦しいことがあったときに、逃げ出せることができる幻想的な世界があったらいいなと思います。結局、私にとって小説とは現実逃避先であり、救済の場なのだ。

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