最大の原動力は没頭することだ

【最大の原動力は没頭することだ】


 没頭だ。没頭するのが一番早い。

 何もかもを捨て、ただ没頭する。

 時間も忘れて、ただひたすらに没頭する。


 これが最も伸びる。これが最も強い。


【没頭は孤独と絶望から生まれる】


 没頭は孤独と絶望から生まれる。

 誰にも認められない孤独感と。

 理不尽な現実に直面した絶望感。

 この二つが人間を没頭させるのである。


【没頭とは現実逃避である】


 没頭とは現実逃避である。

 人生で嫌なことがあればあるほどに。

 その没頭は凄まじいものになるのだ。


【没頭とは一神教の宗教である】


 没頭とは一神教の宗教である。

 一神教なのだから、神は一人だ。

 宗教を掛け持ちすることは許されない。

 つまり、没頭できるのは一つだけなのだ。


 嫌なことが起きた場合、何に逃げるか?


 その答えは各々が違うだろう。

 でも、その逃げ場が真の意味で没頭できることだ。逃げ場が複数個ある場合、それはまだ没頭とは言えない。逃げ場が一つしかなく、それに縋ることでしか救われない。


 そうなったとき、人は初めて没頭できる。


【熱中と没頭は異なるものである】


 熱中は正の感情から生まれる。

 逆に没頭は負の感情から生まれる。


 熱中できる人は幸せ者である。

 だが、没頭する人は不幸せな者だ。


 熱中とは熱が冷めるまで。

 言わば、目標を達成すれば終了だ。

 幸せ者には、逃げ場が幾らでもあるのだ。


 だが、没頭は一生続けないと救われない。

 固執し続けることで救われるのが没頭だ。

 不幸せな者には、逃げ場は一つだけだ。


【最後に】


 没頭とは宗教である。

 没頭することで、人は救われるのだ。

 そう信じることで、人は生きられるのだ。


 この世の全てを恨み、憎み。

 そして、何かに縋ってしまえばいい。

 そうすると、人は幸せにはなれないが。

 それでも——没頭することはできる。


 負の感情が溜まれば溜まるほどに。

 縋る心は大きくなり、没頭は強固になる。

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