【前編】才能がなくても能力開発はできる
【才能がなくても能力開発はできる】
文章を書く才能なんて、大半の人間は持ってない。
最初から上手い文章を書ける奴は天才だ。
だがな、そんな奴等は極わずかなんだよ。
だからね、大半の人間は能力開発してるんだよ。
【1万時間の法則】
1万時間の法則って、皆様はご存知ですか?
超単純に説明すれば——。
人は何かを習得するのに1万時間の練習が必要。
王道の方法はこれだ。正統法で戦うのが一番良い。
でもさ、大半の人間は1万時間も費やせないんだよ。
だからさ、戦略を組むんだよ。
【偽りの天才を演じてた頃の話】
学生時代のお話なんだけどさ。
私は完璧超人に憧れていたのよ。
何でも完璧に熟す完璧超人にさ。
それ故に——。
楽器の演奏を習得する必要があったのよ。
天才と言われたかったから。完璧超人になりたかったから。
私の理想では——。
音楽の授業が始まる数分前。
音楽室のピアノへ颯爽と向かって、座席に座る私。
そして、何も言わずに、ピアノを演奏する。
「ええっ〜!! ナナちゃん、ピアノ弾けるのぉ〜」
「小さい頃にピアノ教室に通ってて(大嘘)」
「しゅごいぃぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
という展開に憧れていたんだけどさ。
私はピアノの才能なんてないのよ。
当たり前じゃん。楽器に触れた経験なんて皆無だもん。
でもさ、「天才」と言われたいじゃん。
その為には——。
「イントロの20〜30秒間だけ死ぬ気で勉強するのよ!!」
お姉ちゃんがさ、電子ピアノを持ってたの。
だからさ、それを借りて、必死に勉強よ。
選曲は『残酷な天使のテーゼ』だった。
電子ピアノの収録曲の中で、誰もが親しみやすくて、尚且つ一定の知名度がある楽曲を選ぶ必要があったの。
(電子ピアノはさ、初心者でも弾けるように、次どこを打てばいいのか光ってくれるのよ。だからね、練習がしやすいの)
でさ、私が弾けるのは——たった一曲。
それに弾ける秒数は、たったの20〜30秒じゃん。
だからね、音楽の先生が来る前。
つまりは、授業が始まる二分前ぐらいがベストなわけ。
先生が来たらさ。
「あ、先生来た。座席に戻らなくちゃ」
先生が来なくても。
「あ、そろそろ授業だね。戻らないと」
この二択で逃げ出すことができるからさ。
でもさ、これを続けていくと……。
「ナナちゃんってさ、毎回残酷な天使のテーゼだよね」
と、言われちゃう〜〜!!
これじゃ、ダメだ。バレちゃダメだ。バレちゃダメだ。
と思ってさ。
「インパクトがある曲のサビ部分だけ練習しよう!!」
動画サイトとかでさ、サビメドレーとかあるじゃん。
あんな感じで、数十秒だけ場を保たせて……。
次の曲へと繋げることをやったのよ。
そしたらさ————。
「ナナちゃん、しゅごぃぃぃぃ〜〜!!」
「ピアノ上手だねぇええええ〜〜!!」
「色んな曲、弾けるんだぁああああああ〜〜!!」
欺くして、私は偽りの天才を演じてた(笑)
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