第60話 奴隷3人目 3

 翌朝、20階のボスを倒した後に色々ありすぎてステータスチェックを忘れていた事に気が付いた。そういえばボス戦前に一度チェックしようと思っていたのも、忘れていた気がする。


 名前:タイラ マコト

 種族:人間 性別:男

 職業:奴隷使い

 レベル:22→25

 スキル:弓術上級2、潜伏2、奴隷強化5

《習得していないスキル》採取、木工、斧術、トレッキング、細工、陶工、料理、物理抵抗、毒抵抗

 スキルポイント6

 レベルが3つも上がっている。順調すぎて油断していたのかもしれない。もっと小まめにチェックしなければ…………。


 そして強盗のボウガンで撃たれたせいか、物理抵抗と毒抵抗のスキルが増えている。安全を考えると欲しいが、このスキルを取ると中途半端な役に立たないキャラになってしまう気がする。弓を上げて自分で火力をだすか、奴隷強化を上げてサポートキャラになるかの方がパーティーの役に立つのは間違いない。しかしこの紙装甲だと何かあった時に一撃で死んでしまうのではと考えると恐ろしい。


 非常に悩む…………。


 ここは保留で…………。自分の事となると決められないとは酷い話だが、仕方がない。


 名前:モモカ

 種族:ハーフオーク 性別:女

 職業:戦士(奴隷)

 レベル:28

 スキル:怪力5、再生3、採取2、棍術5、皮細工2、解体3、物理抵抗3、盾術3

《習得していないスキル》 毒抵抗

 スキルポイント1


 ブタちゃんにも毒抵抗スキルが増えたが、彼女には必要なさそうだ。それより再生スキルが強いというのが解ったから、再生のスキルレベルを上げたい気もするけど、これ以上食費が増えたりしたら困る。ブタちゃんも保留で!


 名前:カレン(ケイン)

 種族:人間 性別:女

 職業:トレジャーハンター

 レベル:25

 スキル:潜伏2、採取2、地図作成2、豪運7、開錠1、罠探知1

 スキルポイント0


 今回いいマントも手に入ったし、ケインは何も悩む必要がない。今日はさっそくマントの性能を試してみようと思う。


 名前:ユウ

 種族:人間 性別:女

 職業:勇者(奴隷)

 レベル:23

 スキル:精神攻撃遮断3、痛覚遮断3、物理抵抗4、炎抵抗2、飢餓抵抗3、毒抵抗2、エアスラッシュ4、剣術上級7

 スキルポイント 8

 回避強化 弱

 命中強化 弱

 体力強化 弱


 ユウはレベルが4上がっていた。おかげでスキルポイントが8も溜まっている。ここは前からどうなるか気になっていた、エアスラッシュを10まで上げてみたいと思う。スキルポイントを6使い、エアスラッシュを10にする――。


 スキルが変化しない! エアスラッシュ10のままだ。こういうパターンもあるのか…………。俺のワクワクを返して欲しい。


 残った2ポイントを剣術上級に使う。剣術上級7→9。


 1足りないのが残念だが、しょうがない。次のレベルアップ時に期待する――。


 今日はダンジョンで色々試してみたいと思う。まずは身隠しのマントの性能チェック。


 ケインに何かあっても困るので、最初は俺がマントを装備してダンジョン1階のジャイアントキャタピラーに近づいてみる――。


 正面から堂々と近寄ったが反応はない。後ろに回ってみるも無反応。


 後ろから蹴ってみる。『ドカッ』


 ジャイアントキャタピラーはさすがに素早く後ろを向いて俺に反応してきた。飛び掛かって来そうな予備動作をしているので、俺は慌てて後ろに下がる。


 ジャイアントキャタピラーと俺に距離があいたことにより、体当たりの射程から外れたようだ。ジャイアントキャタピラーは予備動作を辞めて俺に近づいてくる――。


 俺は素早く弓を構え、矢を放つ。 ジャイアントキャタピラーの頭部に矢は深く刺さり、動かなくなった。


 まだ1体だけなので解らないが、おそらくマントを装備していると近寄って魔物の視界に入っても、魔物からは認識されない。こちらから攻撃などのアクションをすると認識される。という事だと思う。


 それとマントとは関係ないが魔物と1対1で戦ってみて、自分の身体能力の成長を感じる。前から薄々感じていたことだが、レベルが上がる事で体力や俊敏性などの基礎能力が上がっているのではないだろうか? これもステータス画面で見る事ができたら、より実感できて良かったのにと思う。特に残りHPとか知りたかった…………。


 マントを装備した状態で遠距離攻撃するとどうなるか? 試してみたいが俺が弓で攻撃すると倒してしまうので、ガレフにマントを装備して貰って魔法を撃ってもらう事にした。


「マッドバレット」 泥団子がジャイアントキャタピラーに飛んでいく。ガレフ以外は曲がり角に隠れて見ているが、泥団子が当たったジャイアントキャタピラーはガレフを認識したらしく、こちらに向かって進みだした。


「ストーンバレット」 ガレフはこちらに向かってきたジャイアントキャタピラーにストーンバレットの魔法を放つ。


 ソフトボールくらいの大きさの石が結構な勢いで飛んでいき、ジャイアントキャタピラーを一撃で粉砕した。


 思ったよりもストーンバレットという魔法は威力があるようだ。まあ相手がジャイアントキャタピラーという事もあって一撃で倒せたのだろう。それとマントの効果はやはり相手に攻撃すると無くなるようだ。


 その後の検証でマントを装備していない他のパーティーメンバーが魔物に攻撃してもマントの効果は持続すると言う事と、素材の回収などの魔物に直接かかわらないアクションをおこなっても効果は持続するということも解った。


「これなら身隠しのマントをケインが装備していれば、ダンジョン内でも安全に偵察や素材の回収をすることが出来そうだな」


「俺は攻撃したり、魔物に触れたりしなければいいんだな? 解ったぜ」 


 ケインの安全が確保できそうなので21階へと進みたいが、下調べがすんでいないので探索者ギルドに戻る事にした――――。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る