第42話 受付のローズさん
「はい、ここからは私がご案内します。図書室に移動しましょう」
受付さんはローズという名前だったのか、これからもお世話になるだろうから覚えておこう。
黙ってローズさんに付いて行く、2階の階段を上ってすぐの扉が図書室のようだ。
「こちらが図書室です。今日は無料ですが、次回からは受付で入場料を払ってから入ってください。勝手に入ると罰金ですよ」
中に入ると両壁が本で埋め尽くされていて、部屋の中央に大きなテーブルがある。こちらで調べ物などをするのだろう。
「ここにはダンジョンについて書かれた書物が置いてあります。各階層のレポート、魔物の図鑑、地図などは分野別に並んでいます。メモを取って構いませんが、この部屋から書物を持ち出す事は出来ません。貴重な本もあるので丁寧にあつかってください」
「説明は以上です。マコトさんギルドに入ってくれて、ありがとうございました」 ローズさんがニコっと笑う。
「ギルドにはそろそろ入ろうと思っていたので、ちょうど良かったです。登録料もサービスしてもらいましたし」
「マコトさんみたいな優秀な方が定期的に探索してくれると、ダンジョン素材の備蓄が増えるので助かります。あとは依頼の方も期待していますので、これからもよろしくお願いしますね。私は受付に戻りますので、図書室でゆっくりしていって下さい。今日は空いてるから良かったです」
ローズさんは扉を開けて図書室から去っていた。
「ケイン、11階以降のことは解らないのだろう? これから調べてしまおうか」
「おう、じゃあ俺は地図を書き写すぜ。マコト兄ちゃんは魔物を調べておいてくれよな」
今日の午後は図書室で過ごす事になったが、この先の事を知る事ができたので良かったと思う。それとダンジョン豆知識も知る事ができた。
どうやらダンジョン内が奇麗なのは、壁の隙間からスライムが滲みだして有機物を食べてしまうかららしい。確かに魔物の死体などは見た事ないし、自分たちが倒したものもいつの間にか消えている。
スライムを捕まえられたらゴミ処理などに便利かもしれないが、まだ見た事もないので難しいのだろう。
色々なダンジョン関連の本を読んでいたら日が暮れてしまった。テーブルで寝てしまったブタちゃんを起こして皆で孤児院へと帰る。
帰りに探索者ギルドの掲示板というのを見てみたが、浅い階層で達成できる依頼はなさそうだった。他の人に取られたのか、そもそも簡単な依頼はないのだろうか――。
翌日4人でダンジョンに向かいながらケインと今後について話す。
「地図はどこまで出来たんだ?」
「とりあえず20階までは写したぜ。魔物は何が出るんだ?」
「魔物はカエルとかクモが出るが毒を持ってるらしい」
「毒があるなら解毒ポーションが必要だぜ。俺も一つは緊急用に持っているが、足りないだろうから買っていこう。屋台で売ってるぜ」
ケインの言っていたとおりダンジョン近くに出ている屋台で各種ポーションが売っていた。回復、解毒、解痺を買っておく。
今まで買ってなかったのはケインが少し持っているのを知っていたからだけど、マジックバッグを手に入れたからには今後は多めに持っていきたい――。
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