第14話 村 3
外が明るくなってきている。今日もよく寝れたようだ。ブタちゃん肉布団最高です。
さて今日は何をするか?
もっと大きな町に行きたいが、お金を稼ぐ必要がある。しばらくここに滞在しなくてはいけないようなので、早めに家を完成させて少しでも快適に過ごせるようにしたいと思う。
昨日は壁から作り出してしまったが、まずは屋根から作るべきだった。雨が降らなくて良かった。
まずは腹ごしらえ。火をおこし準備する。
「おはようございます」 ブタちゃんが起きてきて外に出ていった。愛想がないのは朝に弱いのだろう。水を汲みに行ってくれたようだ。
昨日と同じ様に小麦粉を練る。今回は平たく伸ばしてフライパンで焼くが、オヤキも作れるかも知れない。今日の夜に試して見るために多めに練っておく。
ナンと肉と芋を焼いているとブタちゃんが戻ってきた。
「水汲んできました」 顔を洗ったのかスッキリとしている。
「おかえり、ありがとう。ご飯出来たよ」 2人で食べながら今日やることを説明する。
まずは家づくり。屋根の素材に重いものは使えないので、木組みを作って最初の家と同じ様にシダの葉を屋根として使う。
木組みは今の石の壁の内側に腕くらいの太さの丸太を切ってきて四隅に立てる。
その上にそれぞれを4本の木を四角く渡してツルで結ぶ、これで地面も含めて正六面体。
入口側とその反対側に三角に木を立てて、最後に2つの三角の頂点にまた木の棒を載せて結ぶ。これで家の形の完成。あとは三角の屋根に交互に木の棒を横に乗せて結んで敷き詰める。最後に半分に裂いたシダの葉を今度は縦に乗せて下から結んでいこうと思う。
「ブタちゃんは石斧で木を切ってきて。なるべく同じ太さのまっすぐな木をよろしく」
その間に俺は昨日の石と粘土でカマドを作る。今回は入口の反対側の壁を利用して作成する。キッチンを意識した家づくり、匠の技が冴える。
カマドは陶芸も出来るように以前と同じ作り、上部に鍋やフライパンを置きやすいように石を三個置く。三個だけど五徳代わりだ。
下から火を付けてカマドを試しているとブタちゃんが大量の木材を抱えて帰ってきた。
ちゃんと俺の話を理解してくれたようで、太さも長さもちょうど良い。ツルも拾ってきてくれたようだ。
さっそく二人で家の骨組みを組み立てる。
二人だとすぐに骨組みまではできあがったが、屋根は時間が掛かりそうだ。地味な作業だが雨漏りすると困るので丁寧に結んでいく。
昼くらいにはなんとか完成した。
昼飯は干し肉で簡単に済ませる。まだ壁も出来上がっていないが、はやく家を完成させて狩りに行きたい。
干し肉よりは新鮮な肉が食べたい。今は我慢して干し肉を食べているが、あんまり美味しくないし、古くなってきたのでお腹壊しそうだ――――。
暗くなる前に家は完成した。葉っぱの屋根は耐久力が心配だが、その分補修は簡単だろう。粘土で瓦も作れそうだけど時間かかるし……今はこれで我慢だ。
それでも前の家に比べれば立派だ。ワンルームだがキッチン完備。カマドの上に煙が抜けるように隙間も作ってある。ドアがないから夜にでも作ろう。
暗くなる前に狩りだ!
ブタちゃんを連れて獲物を探す。
「あっちに鹿がいますね」ブタちゃんが鼻をひくつかせている。
豚鼻センサーで獲物はすぐに見つかったようだ。鹿の匂いを覚えたのだろうか?
静かに近寄り弓を射る。鹿はどこを狙えばよいのか解ったので楽に倒せた。
解体はブタちゃんに任せて俺は家に戻る。
ドアを作らねば。細めの木の棒で『甘』この形を作る。
横に倒して上下に飛び出ている部分が軸になるように地面と壁に差し込めば完成。
ただ差し込む前に横に出ている部分はぶつからないように削り、空いている部分は細い木の枝を隙間なく横に差し込む。
とりあえず家は完成した。屋根が不満だがこれ以上は難しい。夜に備えて家の中に焚き木を集めておく。するとブタちゃんが肉を抱えて戻ってきた。
その日は久しぶりに新鮮な肉を焼いて食べる事ができて満足だ。
さらに家も完成したので安心して眠る事ができた――――。
朝起きてぼんやりしているとレベルが上がっていることに気がついた。
LV5 弓1、潜伏2
《習得してないスキル》採取、木工、斧術、トレッキング、細工、陶工、料理、
スキルポイント1
しかし今必要なスキルはないので、ポイントは取っておく事にした。慌てる必要はないだろう。
そしてブタちゃんを起こして朝飯にする。これからは皮を集めるために狩りを中心に行動しようと思う。ある程度皮が溜まったら村に売りに行き、生活必需品を揃えていきたい。
ブタ鼻センサーで獲物を探して俺の弓で仕留めていく。
解体は時間かかるので二人で捌く、そして次を狩り続ける。肉も食べきれないので売ることにする。皮はなめした状態で1頭が銀貨2枚、肉は1頭1枚で買い取ってくれるという事が解った。
しばらく狩りをして捌いて村で売って、服や雑貨を買うという日々を繰り返した。おかげで我が家がだいぶ充実してきたぞ。
カマドの横に台所として、縦に半分に割った丸太で細長いテーブルを作り、そこに今は包丁、鉄鍋、まな板、木の皿が並んでいる。
床には毛皮を敷き詰めて、こちらも丸太をちゃぶ台として食事をしている
革の服は高かったので綿のシャツとズボンで村人スタイル。
靴だけは奮発して革の編み上げブーツを買った。それにパンツと靴下も買えたので毎日洗濯できる。
だいぶ文明的な生活を送れるようになってきたが、本当はもっと生活レベルをあげていきたい。しかしそれでも、この家を良くするよりも大きな町に移動した方が生活レベルは早く上がるだろう。
あと俺のレベルは7になった。
LV7 弓1潜伏2
《習得してないスキル》採取、木工、斧術、トレッキング、細工、陶工、料理、
スキルポイント3
あと必要なのはブタちゃんのブーツ、二人分のマント、鉄のヤジリ。矢を鉄の矢にしたらクマを狩ってみようと思う。クマは皮も肉も高く売れるそうだ。
今日はさっそくヤジリを買いに行く事にした。鉄の矢でもクマに効かなかったら弓スキルを上げていこうと思う。
矢一発でクマを倒せるようになるとは思っていないが、ブタちゃんは私一人でも倒せると言い張るので、矢を撃ってこちらに向かってきた所をブタちゃんの棍棒でぶっ叩くと言う作戦を試してみることにする――――。
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